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専門家コラム

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ローカルベンチマークを活用して企業の健康状態を把握してみよう!

「ロカベン」って聞いたことありますか? ロカベンとは「ローカルベンチマーク」の通称で、いま企業経営の世界で広がりをみせています。ロカベンとは何か? そしてその活用方法とは・・・

ローカルベンチマークの活用について

1.ローカルベンチマークとは

 「ローカルベンチマーク」とは、経済産業省が企業の経営状態の把握(健康診断)を行うためのツールとして策定したもので、平成28年3月に公表されました。経営者や金融機関、商工会議所など支援機関等の関係者が、企業の状態を把握し、それぞれが同じ目線で対話を行うための基本的な枠組みであり、企業の事業性を評価する「入口」としての活用を目的としています。

 活用にあたっては、企業の健康状態をはかるための診断ツールとして定期的に実施し、経営課題を早期発見することが重要です。発見された経営課題の早期解決を図ることで企業の持続的な成長が可能となります。

 ローカルベンチマークのツール類は経済産業省のホームページからダウンロードできます。
http://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/

2.ローカルベンチマークの特徴

 ローカルベンチマークの大きな特徴は、数値による定量的な評価(財務情報)のみでなく、経営者の意欲や事業環境などの定性的な面(非財務情報)を重視している点にあります。定量的な「財務情報」により企業の過去から現在までの姿を把握し、定性的な「非財務情報」により企業の現在から将来の成長可能性を評価します。

 ローカルベンチマーク指標を企業の関係者が参照・共有することによる期待効果は、企業の現状把握と今後の可能性に向けた対話が深まることにあります。特に企業と金融機関の間でのローカルベンチマークの活用は有効です。金融機関は財務数値以外の面での評価ができるため、企業の今後の成長性に目を向けることができます。支援機関にとっても、金融機関を交え同じ視点で対話が可能となるため、非常に有用です。

 具体的には、エクセル形式のローカルベンチマークツールに「財務情報」として6つの指標(①売上持続性、②収益性、③生産性、④健全性、⑤効率性、⑥安全性)と、「非財務情報」として4つの視点(①経営者、②事業、③企業を取り巻く環境・関係者、④内部管理体制)、および業務フロー・商流に関する情報を入力することにより、企業の経営状態を把握し今後の方向性について検討します。

3.財務情報について

 ローカルベンチマークでは、財務情報として6つの定量的指標が定められています。これらの指標は、「その指標を通して企業の成長性や持続性等が把握できること」、また「経営者と関係者が効果的な対話を行うために有効な指標でありかつ入力が簡潔であること」を基準に選定されています。

 ローカルベンチマークツール「【入力】財務分析」シートに企業の基本情報および3期分の財務情報を入力することにより、「財務分析シート」にて6つの指標がレーダーチャートとともに表示されます(※下図参照)。その際同業他社との分析が行われ、各期で総合評価点によりABCDの4段階でランクが表示され、自社の経営状況の推移が把握できるようになっています。

4.非財務情報について

 財務情報は企業のこれまでの姿を映すもので大変重要ですが、これだけでは企業の将来に向けた可能性の評価は困難です。よって非財務情報により、会社にどのような強みや特徴があり、将来の成長に向けどんな課題があるのかなどを把握し検討することが必要です。特に財務数値から情報を得にくい小規模企業については、財務諸表に表れない資産を評価することがより重要となります。

 非財務情報では、以下の4つの視点に着目し、企業の経営力や事業性を理解することを目的とします。対話を通じこれらを把握することで、企業の強みや課題に気づくきっかけとします(※下図参照)。

①経営者
経営理念、ビジョン、経営意欲、後継者の有無などを見える化します。

②事業
事業の沿革、企業の強み・弱み、IT投資・活用状況、生産性向上の取り組みなどを明らかにします。

③企業を取り巻く環境・関係者
市場動向や競合他社状況、顧客情報(新規・リピート)、取引先企業の推移、従業員の定着、金融機関との関係などを見える化します。

④内部管理体制
組織・品質管理・情報管理体制、経営計画の有無や従業員との共有、研究開発体制、知的財産権の活用、人材育成の取り組みなどを明文化します。

以上に加え、自社の業務フロー、商流を記入することで、ビジネスにおける自社の立ち位置を明確にします。

5.企業、各機関の役割と留意点

 ローカルベンチマークの活用を通じて重要なことは、経営者や従業員、金融機関、支援機関との間で現状と課題の認識が共有されることにあります。客観的なデータとヒアリング結果を基にして課題を「見える化」し、関係者間で共有します。

 企業経営者にとっては、対話を通じて自社の状態を把握することで、自社の強みと課題、今後の打ち手などを考えるとともに、金融機関や支援機関との意味ある対話のために何を確認・準備しておくべきなのかなどについて日頃から考えるきっかけとしていくことが重要です。

 金融機関や支援機関にとっては、企業とどのような関係を構築したいのかを明確にし、課題への具体的対策の提案を行うことが重要となります。
 経済産業省のページでは、ローカルベンチマークの具体的な活用事例も掲載されているので、ぜひご参照ください。

6.その他(経営力向上計画について)

 中小企業・小規模事業者や中堅企業は、経営力向上のための人材育成や財務管理、設備投資などの取組を記載した「経営力向上計画」を事業所管大臣に申請し、認定されることにより固定資産税の軽減措置や各種金融支援が受けられます。

 具体的には計画の認定を受けた事業者は、機械及び装置の固定資産税の軽減(資本金1億円以下の会社等を対象とし、3年間半減)や金融支援等(低利融資、債務保証等)の特例措置を受けることができます。なお計画策定にあたっては、企業は認定経営革新等支援機関(商工会議所、金融機関、士業等)による計画策定の支援を受けられます。

 「ものづくり補助金」の加点項目にもなっている経営力向上計画ですが、策定の際、経営分析にローカルベンチマークの財務指標等の活用が推奨されています。関東経済産業局の推奨様式(エクセル入力)では具体的な数値計画の入力により、ローカルベンチマーク指標による自社の経営状況の把握が可能となっています。計画策定にあたっては、私は関東経済産業局の様式の使用をお勧めしています。

著者プロフィール

梁川 成豪(やながわ せいごう)(UISコンサルティング 代表)

中小企業診断士、経営革新等支援機関。化粧品メーカーにて生産管理、法人営業、商品開発に約20年間従事。現在は経営コンサルタントとして、製造業を中心に支援を行っている。
<専門分野>
・経営改善(経営改善計画作成等)
・現場改善(5S、見える化等による生産性向上)
・営業販売支援
(BtoB:法人営業)
(BtoC:ペルソナマーケティング、商品・企業ブランディング)

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