助成金・補助金等、経営力UPの経営情報が満載!

専門家コラム

専門家コラム
会員登録すると、
新規会員登録はこちら
お気に入りに追加 シェアツイートLINEはてぶ

中小企業流「SEO対策」でホームページの集客力を高める方法

SEO(検索エンジン最適化)対策は金銭コストをかけなくてもホームページの集客向上が期待できる取組です。ところが、知識や作法を知らずに着手してしまうと成功確率は伸びません。今回はデジタルマーケティングの専門家が中小企業でも手軽にできるSEO対策を紹介します。

(掲載日 2024/02/07)

自分でできる、検索エンジンを活用したHP集客術

SEOと呼ばれる、検索エンジンからホームページ(HP)への集客方法を紹介いたします。

インターネットで行える集客施策として、SEOは多くの企業で取り組まれています。一方で、経営資源の不足等から公開しただけで放置されたHPも少なくありません。今回はそんな中でも中小企業や小規模事業者が自ら取り組めるSEO集客の方法を紹介いたします。


1.SEOとは? 重要性と効果

SEOとは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略で、検索結果ページで上位表示を獲得することでHPへの集客増加を図るインターネットの施策です。日本国内においては、検索シェアの88%以上*を占めるGoogleの検索エンジンに対するSEO対策が重要であると考えられています。

*出典:Statcounter Global Stats 「Search Engine Market Share Japan」(2023年12月時点) ※数値はGoogleの検索エンジンを利用するYahoo!を含みます。

以下はインターネットの利用目的を調査した総務省の統計データです。「情報検索」は電子メール利用に次いで2番目、いかに多くの人がインターネットで検索エンジンを介して情報を探しているかがうかがえます。

出典:総務省 令和3年版 情報通信白書 第2部 第2節(2)インターネットの利用状況「年齢階層別インターネット利用の目的・用途(複数回答)(2020年)」を元に筆者編集



通常、検索数の多いキーワードの検索結果で上位表示することができればHPの閲覧は増加し、その結果HPでのお問い合わせ獲得や商品・サービスの販売などの目標達成へとつながりやすくなります。

比較的容易に低コストで実施できることから、中小企業や小規模事業者におすすめの集客施策です。


2.SEOを行うための準備

SEOを実施するにあたっては顧客層のニーズを踏まえつつ自社独自の強みを訴求することが大切です。

検索エンジンから集客を行うSEOでは、検索者が使うキーワードを反映したHPの最適化がなければ、閲覧してもらうことは難しいと言えます。そのため自社商品・サービスを利用してほしい顧客層を具体的に想定し、それらの人が課題解決を求めて検索する際に使うキーワードを選びます。

※筆者作成



例えば自社HPでダイエット食品を販売している場合であれば、食事をダイエット向けのものに変えたい人に対して課題解決を提案できます。HPに検索キーワードとして使われる可能性のある「ダイエット おやつ」といったキーワードがHPの重要な要素であるタイトル等に入っていれば、検索結果の上位に表示される可能性が高くなり、おやつをダイエット向けに変えたい人に閲覧される可能性も高まります。

これらのことから利用してもらいたい顧客層のニーズを明確にして、それらの人に自社商品・サービスで課題の解決ができることをキーワードで示すことが重要であると言えます。


3.SEOの具体的な方法


①検索キーワードの効果的な選び方

キーワードの選定を以下の方法で行うことで、よりSEOで効果を見込むことができます。

・Googleで検索候補から抽出する
検索候補はGoogleで検索キーワードを入力した際に表示される候補一覧です。ここにはGoogle検索で注目度の高いキーワード等が表示されます。自社商品・サービスに関連してどんなニーズがあるか把握することができます。

Googleの検索画面



・ユーザー投稿型の知識検索サービスや口コミ掲載HPから抽出する
ユーザー投稿型の知識検索サービス等で自社商品・サービスに関連するキーワードを検索し、課題をもっている人が実際にどんな言葉で課題を表現しているかを確認することで、より検索者の視点に立った検索キーワードにすることができます。


・無料ツールで調査する
Googleが提供するキーワードプランナーという無料ツールを使い、検索ボリューム(1カ月間の平均検索回数)のより多いキーワードを選ぶことで、効果を見込めるメインキーワードを設定できます。

このツールは調査キーワードについてGoogleでのおおまかな月間検索数を調べることができます。自社の製品・サービスが提供する課題解決を示すキーワードでかつ、検索ボリュームの多いキーワードを選び、HPのメインキーワードとします。

またキーワード選定の際は、検索数にもよりますが具体的な商品・サービスの固有名詞や、大、中カテゴリーではなく小カテゴリー名でも検討することをおすすめします。例えば大カテゴリーを飲食店で例えると、中カテゴリーはラーメン店、小カテゴリーは○○系豚骨ラーメンといったキーワードになります。キーワードが明確であれば購買行動への意欲が高まっていると考えられ、HPの目標達成につながりやすくなる可能性があります。


②トップページタイトルへの反映

HPのトップページでは、タイトルにメインキーワードと社名・ブランド名等を入れます。

Google検索の場合、検索結果に表示されるタイトルの文字数は約30文字程度で作成し、重要な情報は文章の前方に入れることで省略されても伝わりやすくなります。

文字数は表示上限を上回ると省略されるため、なるべく前方にキーワードを配置してタイトルとなる1文を作成します。また課題解決を求める検索者から見て魅力的なタイトルにすることも重要です。


③派生ページタイトルへの反映

トップページ以外のページ(商品紹介ページやブログ記事ページなどの派生ページ)は、検索ボリュームを考慮したタイトルをつけることで、HPのテーマ等に関連する情報を探す検索者にページを見つけてもらえる可能性が高まります。


④派生ページの追加

派生ページの追加もSEOの効果を見込むことができます。

自社の顧客となり得る層が知りたいと考えられる内容をページ(ブログ記事など)として追加しHPの情報を充実させることで、多様なキーワードで検索者と検索エンジンの両方に、より訴求することが可能です。


4.SNSの活用

FacebookやX(旧twitter)などのSNSを活用することで、検索結果に自社SNSアカウントの表示が期待でき、SNSからのリンクがあれば自社HPの閲覧を増加させることが可能です。

投稿を定期的に実施することで自社の認知を高めることができます。また投稿に反応してくれたSNSユーザーには積極的にリアクションを返すなどコミュニケーションを行うことでフォロワー獲得につながりやすくなります。フォロワーが増加することでSNSユーザー間での情報共有が促進され、他サイトからのリンク獲得や認知向上にもつながりやすくなります。



5.Googleビジネスプロフィールの活用

地域に根ざしたビジネスではGoogleビジネスプロフィールを活用することで、検索結果でより自社情報の露出を狙うことが可能です。

GoogleビジネスプロフィールはGoogleが提供している無料サービスで、登録することで主にGoogle検索やGoogle地図検索で自社情報を表示させることができます。そのため検索結果への表示機会増加につながり、地域にいる検索者にも自社の訴求を行うことが可能です。


6.表示速度の高速化

HPの技術的なSEOには様々な対策方法がありますが、効果の高い対策のひとつにHPの表示速度の高速化があります。

HPを閲覧しようとして表示されるまでに時間がかかると、諦めて移動してしまい閲覧機会を逃す可能性が高まります。またGoogleの評価基準でも表示スピードは重要視されており、対策しておくことでSEO効果を見込むことができます。

自らできる簡単な対策方法としては画像の軽量化がおすすめです。インターネットには無料で使える画像圧縮サービスが多く提供されているため、HPを管理システムで運用している場合は比較的簡単に画像を軽量化したものに差し替えることができるでしょう。


まとめ

SEOであれば、低コストで集客を行うことができます。紹介した内容はSEOの中でも重要度が高く、比較的簡単に取り組めるものを中心にしていますので、この機会に自社内でSEOに取り組み、インターネットでの集客を強化してみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール

地村 健(ハイパーリールコンサルティング 代表)

約20年間Webデザイン、Webサイト構築、デジタルマーケティング、ITツール導入等、デジタル領域を中心に大企業から小規模事業者まで多数の支援に携わる。経営目標を達成するための、企業ごとの環境に合わせた使いやすい手段を構築し、企業に寄り添いサポートを行っている。

< 専門家コラムTOP

pagetop