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活力向上ハンドブック

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戦略・経営者(市場・競合の把握・SWOT分析・戦略的経営行動)

競合相手との競争に勝つための戦略を立て、実行している

 競合相手との競争に勝つには、ただ闇雲に行動していてはいけません。自社とライバルの競争上の位置関係を把握した上で、より優位な状況を作り出す必要があります。

 英国の航空機エンジニアであったランチェスターは、第一次世界大戦の戦果を分析し、いわゆるランチェスターの法則を発見しました。簡単に整理すれば、戦力の弱い側は一騎打ちを、戦力の強い側は集団戦闘を選ぶと有利に戦うことができるというものです。これは、企業経営にも応用できます。マーケットでの地位が強い企業であれば、商品戦略は総合的に、地域戦略は広域的に、流通戦略は遠隔的に、顧客戦略は集団的に行う方が有利です。一方、マーケットでの地位が弱い企業であれば、商品戦略は差別化に、地域戦略は局地的に、流通戦略は近接的に、顧客戦略は個別的に行う方が有利です。

 中小企業が必ずしも市場で弱い立場であるとは限りませんが、多くの場合は劣性です。したがって、大企業と同じ戦略では対抗することは困難です。例えば小さな居酒屋が大手の居酒屋チェーンやファミリーレストランと競争していくには、特徴のあるメニューへの絞り込み、一つの鉄道路線での支店展開、地元農家との連携、地域限定の折り込み広告、といった経営資源を集中した戦略を立て、それを実行していくべきです。

 ここで重要なのは、自社とライバルがどういう位置関係にあるかを明確に把握することです。米国の経営学者であるコトラーは市場での地位でリーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーの四つのポジションと、それぞれ取るべき戦略を想定しています。市場でのトップ企業であるリーダーは、二番手以下を意識して市場シェアを防衛していく必要があります。また、成長するためには市場規模自体の拡大も考えなければなりません。二番手グループのチャレンジャーは、リーダーの弱点を分析し、そこを突いた攻撃を行うとともに、より小規模のフォロワーが支配する市場を切り崩していく戦略が求められます。市場での立場の弱いフォロワーは、リーダー製品の模倣や改良などで市場での地位を確保していくか、ニッチャーへの転換が必要です。ニッチャーとは、商品、顧客、価格、品質、立地、流通チャネルなどが限定された小さな市場を発見し、あるいはみずから育てている企業のことで、小規模市場のリーダーといえます。まずは、自社がリーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーのどれに当たるのかを考えてみてはいかがでしょうか。もっとも、多くの中小企業は、大きな市場では大企業に比べて弱い立場にならざるを得ません。したがって、ニッチャーすなわち小規模市場でのリーダーとなるべく市場を細分化していくことも、中小企業の取るべき重要な戦略の一つといえます。

Case Study

戦術は一点集中突破、続いて関連市場を個別に攻略

 機能や目的に応じて幅のあるサーモスタットのなかでも、ある機能分野における安い価格帯の汎用製品がT社の事業領域である。そして、この範囲内にある隙間市場に次々に新製品を投入して市場を埋めていくのが同社の戦略の基本だ。中国で生産されるような、数は出るがコスト競争になるものは、売らない方針を貫いている。(各種サーモスタット製造・36人)

 炭素素材の一貫生産がU社の最大の武器だ。炭素素材をつくるメーカーは複数あるが、ライバルメーカーは小回りが利かないこともある。大手メーカーは1か月かけて炭素素材を作るが、同社は1週間あれば対応できるという。シールのライバルには上場企業が名を連ねている。ライバルとの差別化は徹底して小回りを利かせることだ。大手企業は代理店を通しているため、そこでワンクッション置くことになり、急な対応は難しい場合もある。材料についても同社の場合カーボン材は内製しているが、他のライバルは外部から調達している。(機械用カーボン等製造・175人)

Step Up

(1)競合相手の業界における地位や、強み・弱みなどがわかっている

 項目1-3で示した、「敵を知って自分を知っていれば百戦しても負けない」という孫子の言葉は、ここでも重要です。競争に打ち勝つには、例えば品質、価格など、自社が相対的に強いところを戦略的に活用していくことが求められます。そのためには、ライバルの競争上の地位や、強み・弱みなどを知っておく必要があります。それを自社の強みや弱みと比較することで、初めて戦略を立てることができるのです。

(2)競合相手と直接競合しないための工夫(すみ分けや協調)ができている

 競争相手が非常に有力で、自社の商品やサービスではなかなか対抗することが難しいケースもあります。その場合、思い切ってライバルが優位な市場からは撤退するなど、すみ分けを図ることも検討すべきです。もちろんカルテルや談合はルール違反ですが、営業区域が重ならないようにして他社地域の顧客を斡旋したり、商品を互いに融通して品揃えを増やしたりするなど、これまでのライバルと協調していくことも一つの戦略といえるでしょう。

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