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活力向上ハンドブック

活力向上ハンドブック経営力アップのための70のビジネスメソッドと10の財務指標
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戦略・経営者(イノベーション・マネジメント)

差別化のポイントが明確になっており、顧客から評価されている

自社のコア・コンピタンスを探す

 企業の競争力は、その企業のセールスポイントである、「他社が簡単に真似できないような独自の技術やノウハウ」から生まれます。こうした独自性を組み合わせてつくられる企業の能力を、コア・コンピタンス(CoreCompetence) といいます。直訳すると「競争力の中核」という意味です。コア・コンピタンスになり得るのは、目に見える技術やノウハウ、あるいはそれに基づく商品やサービスだけではありません。人材、組織力、ビジネスモデルなども、競争力につながっていて他社が簡単に真似できないものであれば、立派なコア・コンピタンスであるといえます。

 それでは、コア・コンピタンスとなる経営資源は、いったいどう探せばよいのでしょうか。ここでは、米国の経営学者バーニーらが主張したRBV(Resource-Based View, 経営資源ベースアプローチ)の考え方を紹介します。企業を有形無形の経営資源の集合体と捉え、企業のパフォーマンスの違いを、経営資源とその利用効率の差によって説明しようというものです。

 RBVの考え方のなかで、競争優位の獲得に有効な資源の条件としてまずあげられるのは、相対的な「①価値(Value)」の高さです。これは、事業としての収益率だけではなく、顧客にとって自社の商品やサービスがどのくらいの価値を生み出すかという点も含んでいます。次にあげられるのが「②希少性(Rarity)」です。他に供給する企業が少なく、しかも代わりになるものがない場合には、顧客はおのずと自社を選択することになります。次に、「③模倣困難性(Inimitability)」です。他社による模倣が困難であるほど、新規参入も困難になり優位な経営資源といえます。最後に、それらを維持する「④組織力(Organization)」の高さが求められます。自社独自の能力を開発するために、能率的で機能的な組織運営ができなければなりません。

 こうした4つの要素が、企業の能力を決定していくとしたのがVRIOフレームワークです。自社の経営資源についても、この切り口で分析し、他社と比べて優位な点を探すことが大切です。そして、優れている部分の強化を積み重ねていくことが、長期的なコア・コンピタンスの獲得につながるのです。

社内共有と社外へのアピール

 このようなコア・コンピタンス、あるいはセールスポイントを企業の実績につなげるには、その内容が取引先を含めた社外に明確になっていなければ意味がありません。意図的に、また積極的にアピールすることが必要です。また、そのためには、従業員にも十分に理解されていることが求められます。

Case Study

セールスポイントは連携相手にとっても重要

 欧米の販売代理店は地域テリトリーを欲求するが、W社としては与えない方針を貫いている。それは働かない人に“可能性のある地域”を渡すことになるからだ。ただし実際に顧客を持ってきた代理店には、その顧客に対しての販売権をずっと与えることにしている。
 一番先に実績をあげた人に販売権を与えることは、初め違和感を持っていた人たちにも理解を得つつあり、最近は完全に定着してきた。同社がサーモスタットの独自製品を持っているからこそ、代理店はついてきている。製品は定価販売の独占であり、このルールが代理店にとって売りやすいために頑張ってくれるようだ。
(各種サーモスタット製造・36人)

顧客要求に応え、それを積み重ねる

 金型メーカーにとって、試作は代金が安いうえに手間がかかる一方、必ずしも量産に結び付くかはわからないので積極的に取り組む企業は少ないという。また、企業によっては「試作だからいいだろう」と、試作品の品質をあまり重視しないところもある。しかし、X社はあくまで顧客が欲しい物、満足してもらえる物を提供することが使命であると考えている。そのため、たとえ試作であっても品質の優れた金型を作るようにしている。そうしたことの積み重ねが、同社への指名発注や新たな取引先の紹介につながっている。
(プラスチック金型製作/射出成形・13人)

 Y社は製品ラインを拡げるために、いくつかのメーカーと提携している。提携先のZ社が作った耐候試験器は同社でも販売している。これは同社が耐候試験器を必要とするペイント各社とつながりがあるためである。他にも世界的に有名なメーカーの製品をラインアップに加えて、顧客の要望に応えている。
(計測器等製造・29人)

Step Up

(1)独自のノウハウや技術を社内に蓄積させる仕組みがある

 独自のノウハウや技術があっても、それがいつのまにか散逸してしまっては意味がありません。まずは何が独自性なのかを知ったうえで、社内に蓄積していく仕組みが大切です。有形の物であれば比較的容易ですが、ノウハウや技術のなかにはベテラン従業員が属人的に持っている無形のものも少なくありません。それらを若手従業員に伝えるために、マンツーマンの指導や文書化など、何らかの方策を考えていくことが求められています。

(2)大企業や大型店舗にはない優位点を持っている

 中小企業は、総合的な経営資源では大企業や大型店舗より劣っている傾向にあるのは間違いありません。ただ、人材、組織力など個別にみていけば、かえって優れている点がどこかにあるはずです。ライバルとなる大企業や大型店舗と自社の経営資源を比較し、すでに優位である点、あるいは少し努力すれば優位に立てそうな点をまず発見し、それを武器に戦っていくことが必要ではないでしょうか。

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