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活力向上ハンドブック

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戦略・経営者(イノベーション・マネジメント)

他社事例を自社に合うようにアレンジして取り入れている

 優良企業の手法を取り入れることは、経営者であればだれでも無意識に行っていることでしょう。一般に、同業者の中で繁盛していたり成長していたりする企業に目が行きがちですが、異業種のケースにも自社の参考になるものは少なくありません。ここでは、こうした他社事例を活用したプロセス改善手法の一つである「ベンチマーキング」を紹介します。

 ベンチマーキングとは、業界内や異業種の優れた業務手法と自社の業務手法との違いを比較検討することで、業務の問題点と改善の方向を明確にし、経営の革新につなげていくものです。通常はPDCA(Plan→ Do →Check →Action)サイクルを応用して、(1)S(Strategy, 戦略策定)、(2)P(Plan,計画)、(3)D(Do,情報収集)、(4)L(Learning,情報学習)、(5)I(Innovation,経営革新)の5段階のステップで行われます(図)。

 それぞれのステップで実際に行う内容と、その際の留意点は以下のとおりです。まず、(1)S(戦略策定)では、改善すべき課題を抽出します。その際、SWOT分析などを使って、改善した場合に効果があると認められる特に弱い部分を発見することがプロジェクト全体の成否を左右します。次に、(2)P(計画)では、ベンチマーキングのスケジュールなど、プロジェクト全体の計画を立案します。(3)D(実行)では、ベンチマークとする相手を特定してインターネットやマスコミでの公開情報や、企業視察等を通して、情報を収集します。この時重要なのは、ベンチマークとなる企業は必ずしも同業者である必要はないことです。ベンチマーク企業を模倣する限りはそれを超えるパフォーマンスをあげるのは難しいですし、ライバルは企業視察には応じにくいでしょうから、むしろ異業種の方が効果的とも考えられます。こうして集めた情報をもとに、(4)L(学習)では自社とベンチマーク企業の違いを明らかにし、何がその違いを生み出しているのかを分析し、実際に現場でどのような対策を行うのかを検討した上で、(5)I(経営革新)として現場での導入を図ります。もちろん、一定の期間の後に成果を確認して、次の計画立案につなげていくことも重要です。

 ここで紹介したベンチマーキングは、何もプロジェクトチームを組んで大掛かりに行うものだけとは限りません。常に同業他社や異業種の企業の良い点をみるように心がけ、自社に導入できるものは積極的に取り入れることを心がけるべきでしょう。そのためには、商工会議所や官公庁が発行している事例集、専門誌や新聞の記事などから、情報収集していくことも必要です。本ハンドブックの描く項目ごとに掲載している事例紹介も参考になるでしょう。

 もっとも、ベンチマーキングも万能ではありません。なぜなら模倣だけではベンチマーク企業を超えるのは難しいからです。そのため、ベンチマーク企業をただ真似るのではなく、自社の実態にあわせてアレンジするとともに、彼らの持つ課題を発見し、さらに良いシステムが構築できないかも検討することも必要となります。

Case Study

経営のヒントはどこにでもある

 企業の見学に行った際、Y社の社長はしっかりと見てくる。そして、すぐに自社で真似してみる。見学の時には説明がなくてもモノを見れば製品の特徴や作り方が推測できるという。また、工場の外に積まれた不良品も見てきて、そこからヒントを得ることもある。(鋳物/ダイカスト製品製造・20人)

 Z社の社長は、異業種懇談会に積極的に参加するが、そうした場所に行くと、すぐにメリットないと騒ぐ人が多いようだ。同社の社長は、続けていればそのうち何らかの成果につながることがあるだろうとゆったり構えている。お互いに初めての人同士なのだから、相手を見極めるのには時間がかかる。ビジネスの話は、ある程度立ち入った話ができるようになってからだという姿勢だ。(包装資材紙工品総合卸売・40人)

Step Up

(1)他分野の専門家、異業種の経営者と積極的に交流している

 異業種では常識になっていることが、自社の業界や地域では当たり前ではないことはよくあります。高額な支払いが多いのにもかかわらず、最近まで(地域によっては今でも)日本のほとんどの病院でクレジットカードが使えなかったのは一つの例としてあげられます。こうした常識を打破するのに最も良い方法は、業界の常識に染まっていない人に自社の事業をみてもらうことです。業界内の人脈づくりも大切ですが、時には他分野の専門家や異業種の経営者などとも、積極的に交流してみてはいかがでしょうか。

(2)国内や海外の企業視察に行っている

 自社のプロセスの改善につながるような、他の企業の良い点を知るには、できるだけ多くの企業をみていくことが重要です。本や雑誌には多くの企業事例が紹介されていますし、テレビ番組でもさまざまな中小企業が紹介されます。もちろん、こうした情報源は大切ですが、本当にその企業を知ろうとするならば、やはり自分の目で実際にみるのが一番です。商工会議所や業界団体などの企業視察ツアーは、単独では訪問の難しい相手にアプローチするには有効な手段といえるでしょう。

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