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経営ノウハウを学び直し、組織改革を決断した経営者の挑戦

企業名:株式会社ネツダン  取材先ご担当者様:代表取締役:清水文有氏

従業員のモチベーションアップで生産性向上を実現

長年トップダウンの運営スタイルだったため、次のリーダーが育っておらず、工場の生産性はなかなか上がららない。社長も70歳を過ぎ、そろそろ後継に道を譲ろうと考えていたのだが…

企業概要

株式会社ネツダン(代表取締役:清水文有氏)は、自社製の高性能な断熱パネルを使い、業務用プレハブ式冷凍庫・冷蔵庫の製造・販売・施工や、省エネ工場・倉庫の設計・施工を行っている。
1998年、それまで勤めていた会社が倒産した清水氏は、そこに勤務していた従業員数人と現在の会社を立ち上げた。創業当初は、冷凍庫などの施工のみを行っていたが、その後取引先の販売会社と合併。さらに、2015年には主要取引先の製造会社が倒産したため、その従業員を引き受けるかたちで製造から販売・施工まで行う会社へと業務を拡大した。製造会社が倒産した時には、連鎖倒産の危機こそ免れたものの、金融機関からの信用が低下し、2年ほど融資が受けられない厳しい状況が続いた。その後、会社の信用は回復し、事業も順調に伸びて現在に至っている。

企業の悩み

清水氏には、2つの悩みがあった。
1つは、茨城県にある工場の生産性の低さである。この工場は、もともと、倒産した製造会社が所有していたもので、従業員とともに当社が引き受けたのだ。倒産を機に、それまで率いていた工場長が辞めてしまったが、長年トップダウンの運営スタイルだったため、次のリーダーが育っておらず、工場の生産性はなかなか上がらなかった。この工場をどう立て直すか、清水氏も考えあぐねていたのである。
もう1つは、事業承継である。清水氏も70歳を過ぎ、そろそろ後継に道を譲ろうと考えていたのだが、誰に譲ったらいいか決めきれずにいた。
ちょうどその頃、東京商工会議所から本プロジェクトの活用を勧められたのである。

導き出された課題

セルフチェックシートに基づく「経営診断」と、その後の「アシストコース」を通じて、①社員の高齢化対策と人材活用、②人材の新規採用と育成、③給与水準の適正化、④人事評価制度の見直し、という人事組織面の4つの課題が導き出された。
さらに、翌年には、本プロジェクトの「フォローアップコース」を活用し、①給与水準の引き上げによる従業員の待遇改善、②茨城県の工場における若手人材の採用強化、という2つの取り組みに挑戦することにした。当社の従業員の平均年齢は約50歳と高く、若手人材の採用を強化し、技術継承を急ぐ必要があったからである。

提案された解決策

当社の給与水準は、調査の結果、平均的な中小企業より2割も低いことがわかった。これが若手人材獲得の障壁の1つになっていると考え、専門家のアドバイスを受けながら、引き上げを行った。
また、若手人材の採用強化の一環として、求人方法の改善にも取り組んだ。特に、会社概要を淡々と説明していたこれまでのハローワーク求人票の記載内容については、「これでは、誰も来ませんよ」と専門家から厳しい指摘を受けた。そこで、専門家のアドバイスをもとに記載内容を一新し、読んだ人に「こんな会社で働いてみたい」と思わせる内容へ改善することにした。当社製の断熱パネルに覆われた自社工場は、1年を通して25度前後に保たれている。その快適で働きやすい職場環境を求人票で強くアピールしたのである。その結果、前年までほとんどいなかった応募者が現れ、人材の獲得に成功した。

提案した中小企業支援施策

その後の状況

本プロジェクトの支援を受ける中で、専門家である中小企業診断士から経営ノウハウを学んだ清水氏は、その後も独自に経営改善に取り組んでいる。
その1つが、従業員の自発的な行動を促す取り組みである。清水氏は、まず、工場の若手従業員の中から優秀な2人を選び、課長職に抜擢した。そして、彼らの経験不足を補うために、ベテラン従業員を課長補佐につけ、ノウハウの継承を進めた。さらに、その下に新たに係長職を作るなど、組織全体が自立して考え行動できるよう体制を整えたのである。「これをきっかけに、みんながそれぞれに工夫するようになってきた」と清水氏は言う。工場では、どうしても忙しい工程や待ち時間の多い工程が発生する。これまでは、トップの指示を待つだけで、工場全体の生産性にまったく関心を示さなかった従業員たちが、今では新課長を中心に自分たちで考え、それぞれに応援しあうようになっている。従業員のモチベーションアップが生産性向上につながったのである。
このように、本プロジェクトには、その支援期間中にさまざまな改善が実施できるだけでなく、このプロジェクトを通じて経営者自身が多くの刺激を受け、専門家から直接経営ノウハウを学べるというメリットもある。経営者自身が変わることによって、プロジェクト終了後も、経営者自らの手で経営改善を続けることができるのである。
「いろいろな人の話を聞くっていうのは、大切ですね」。74歳にして、今なお真摯な姿勢で学ぼうとする清水氏。事業承継までの残された時間の中で、これからもさらなる経営改善に挑戦していくはずである。

企業様の声

今回、このプロジェクトを利用して、ほんとうに良かったと思っています。また、このような機会を提供してくれた東京商工会議所にはとても感謝しています。アドバイスを受けたことの中には、もともとやりたいと思っていたこともありましたが、なかなか踏ん切りがつきませんでした。思い切れたのは、このプロジェクトのおかげです。
また、何よりも大きかったのは、専門家の方から、これまで勉強してこなかった経営ノウハウを学べたことです。そういう意味では、会社だけでなく、自分自身も変われたような気がします。今では、銀行等が主催するセミナーにも積極的に参加しています。いろいろな人の話を聞くと、とても刺激を受けますし、勉強になります。できれば、後継者にも、こういう機会を積極的に利用して、多くの人の話を聞いてほしいと思っています。
(代表取締役:清水文有氏)

支援者の声

清水社長は、「アシストコース」と「フォローアップコース」を活用して、賃金改定、人材採用、またその先にある事業承継といった難しい経営課題に取り組まれました。今回、従業員のモチベーションを向上させ、見事に成果を上げられましたが、それはきっと、社長の熱い想いと本プロジェクトがかみ合った結果だと感じております。今後も、株式会社ネツダン様のさらなる発展に向けて、引き続きご支援をさせていただければと思います。
(東京商工会議所:永尾拓也氏)

企業情報

企業名 株式会社ネツダン
代表者 代表取締役:清水文有氏
創業年 1998年
業種 製造業(業務用プレハブ式冷凍庫等の製造・販売・施工)
所在地 東京都江戸川区松江5-24-4
事業PR
URL http://www.netsudan.jp/


中小企業診断士 小林雅彦

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