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活力向上ハンドブック

活力向上ハンドブック経営力アップのための70のビジネスメソッドと10の財務指標
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戦略・経営者(立地戦略)

業務を分類した上で、効果的に外注を行っている

 ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が提唱した価値連鎖(バリューチェーン)の概念を用いて、企業の業務の流れと外注の流れを模式化すると、図のようになります。この流れの一部に能力の劣るボトルネックがある場合、他の部分がいくら優れていても、最終的な企業の能力は最も弱い部分と同じ大きさになります。図のA社の例では、企画部門、製造部門、間接部門などは100の能力があっても、販売部門が50の能力しかないため、結局は50しか生産も販売もできず、その他の経営資源が無駄になってしまいます。こうした問題を解決するには、自社内で能力増強を行う以外に、業務の一部を外注する方法があります。A社の場合、販売代理店B社に50の販売を委託すれば、その他の部門はフル稼働で100の能力を発揮できます。

 また、こうした量的補完を目的としたものだけではなく、他社から納入した方がより高性能であったり低価格であったりする場合に質的補完のために外注するケースも検討すべきです。例えばC社の工場の方が低価格での生産が可能であれば、外注することでコストを削減することができます。

 外注自体は、目新しいものではありません。例えば下請企業や外注先への発注、販売代理店網の構築も、製造工程の一部や販売チャネルの一部を外注していると考えることができます。ただ、近年、技術やノウハウの専門性が高まってきているほか、テレホンセンターや総務部門など間接部門の業務委託を引き受ける企業も増えていることから、以前よりさらに外注の検討の余地が高まっていると考えられます。

 外注のメリットとしては、経営資源をコア事業に集中できること、需要急増への対応が容易であること、その反面として需要が急減したときのリスク軽減、自社にないノウハウによる品質向上やコストダウンなどがあげられます。ただし、外注が全て正しいわけではありません。相手のあることですから、どうしても品質や納期等のコントロールが課題になりますし、重要な情報や技術が漏えいする可能性も出てきます。委託先が事業から撤退したり倒産したりすると、自社の業務に大きな影響が及びます。また、一度外注すると既存のノウハウが散逸し、方針を変えて再度内製化しようと思っても、うまくいかなくなるかもしれません。既存業務を外注する場合、これまでの担当者の勤労意欲やモラルの低下が懸念されますし、彼らをどう再配置していくか(あるいは解雇するか)という問題も発生します。

 以上のように外注にはいくつかのメリット、デメリットがあります。これらを十分に考慮した上で、自社の業務の流れの問題点を分析し、外注を進める業務と、社内に残していく業務を峻別することが求められています。

Case Study

自社の能力で売れるものはないか、考えてみる

 アウトソーシングは外部へ委託するだけでなく、自社がアウトソーシングの受け皿となる戦略もある。製品の機能をサービス化して提供するビジネスであるサービサイジング。このビジネスモデルを環境配慮型物流システムに応用したのがMM社だ。独自に開発した繰り返し使用可能な梱包材の事業は当初、売り切り型でスタートしたが思ったように業績が上がらなかった。そこでビジネスモデルを転換、運送から梱包、資材管理などを一括して請け負うサービスの提供を始めた。(環境配慮型物流システム運営・10人)

 大学に業務の一端を担ってもらっている例もある。NN社では、山形大学の先生を同社の役員として迎えており、つながりが深い。同大学は、今ではプラスチック成型加工のメッカになっている。山形大のVBL(ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー)には同社の分室を作った。分室ではアルバイト学生を集め、課題を与えて仕事をやってもらっている。(CAE研究/開発・17人)

Step Up

(1)生産や販売だけでなく、経理や人事など管理部門の外注を検討している

 従来、業務委託といえば生産の外注や販売の委託といった事業の主活動にあたる部分が中心でした。しかし、最近では経理や人事などの管理部門(支援活動)の業務委託を引き受ける企業も数多く出てきています。これらはいずれも専門性が高い分野でもあることから、経営資源の乏しい中小企業より専門業者の方が効率的である可能性があります。こうした管理部門についても、業務委託した場合のメリットとデメリットを勘案してアウトソーシングが可能かどうか検討し、場合によっては業務委託に切り替えることが求められています。

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