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活力向上ハンドブック

活力向上ハンドブック経営力アップのための70のビジネスメソッドと10の財務指標
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戦略・経営者(市場・競合の把握・SWOT分析・戦略的経営行動)

新しい商品・サービスの開発や新しい仕入先・販売先の開拓を行っている

 新製品は大きく以下の6種類に分類できます(表)。全く新しい市場を創造する「(1)純粋な新製品」は実際にはそれほど多くありません。この場合、市場が存在しないわけですから、成功すればオンリーワンとなる可能性はありますが、リスクはかなり高いといえますから、より慎重に進める必要があります。すでに他社が持っている市場に自社が初めて参入する「(2)自社にとっての新製品」は、市場がある程度出来上がっていて、他社製品の分析が可能であるというメリットはありますが、先行している企業の製品とどう競争していくかが成功の鍵となります。

 次は、既存製品をベースにした改良です。「(3)コストダウン」は同等の機能を持つ製品を低価格で提供するケースです。「(4)製品バリエーション追加」は、オプション追加、マイナーチェンジ、大きさ変更などで既存製品のバリエーションを増やすもので、カップラーメンに新しい味を導入したり、小型ショベルカーを製品ラインに加えたりといった例があります。「(5)高性能の代替品」は、既存製品に代わる高性能の代替品を導入するもので、新型乗用車の開発がこれにあたります。これらは既存市場への対応が中心となるため、既に持っている顧客のニーズをどう開発につなげていくかが重要になります。

 最後に、意外と見落としがちなのが、既存製品をこれまで販路としなかった顧客に販売する「(6)リポジショニング」です。以前、4WDの車が爆発的に売れたことがありました。本来なら悪路走行用の車ですから街中では重装備すぎるのですが、アウトドア志向の人だけではなく、ファッションとして乗る若者をターゲットにしたことで売上を伸ばしました。若者たちは、一種の新製品と捉えたのです。農家だけではなく家庭菜園をする人にも売れている小型耕運機のように、(3)(4)(5)の改良によって、他の市場にもマッチした製品に変化するケースもあります。自社の既存製品を既存のターゲット以外に販売することができないか、一度検討する必要がありそうです。

 このように、一口に新製品といっても、さまざまなタイプがあります。まず、自社がどのような新製品を開発していくのかを定めた上で、計画的に新製品を開発していくことが必要です。また、新たな販売先の可能性を探っていくのはもちろんのこと、自社の新製品につながるような素材や製品がないか、既存の仕入れ先だけではなく、新しい仕入れ先の情報を含めて収集していくことも求められています。

Case Study

「人がやらないことをやる」のがイノベーション

 N社の主力製品の一つに脳外科手術用の顕微鏡がある。アメリカでは70%ものシェアを持つ強力な製品だ。人気の秘密は、徹底した現場観察にもとづき、細部まで設計が行き届いていることだ。医師に使ってもらい「(機器の)ここが手に当たる」などの反応を取り入れ、どんどん改良を重ねていく。実際の手術にも立ち会い、現場の情報を丁寧に集める。台座部分が偏った形をしているのは、手術室での安定性を確保するため、重心を真ん中に持ってきているからだ。こうした設計意図を医師に説明すると「他にも工夫があれば教えてくれ」と興味を持つ。医師が職人と同様に道具を厳選するのは、短時間で効率的に手術をしたいからだ。感心した医師は学会などで他の医師にも製品の宣伝をしてくれる。(脳外科用手術顕微鏡等製造・42人)

 O社では、今は半導体向けの研削剤の売上が多いが、それにずっと頼るつもりはない。次の主力分野になるものはないかと常に探しており、いくつか種をまいている。同社の事業パターンを振り返ると、最初は商社としてもうけを出して、次に開発品を作って利益を生み出して、その利益をもとに次の分野を探すというやり方だ。開発テーマは、「人がやりたくないことをやる」だ。人が「そんなのはムリだ」というものにチャレンジする。(化学工業薬品製造・84人)

Step Up

(1)有望な新事業開発に対して、必要な予算と人材を投入している

 新事業開発にはスピードも重要です。せっかく新しい商品やサービスを開発しても、市場への導入が他社に遅れれば、その効果は半減します。中小企業では資金や人材は限られていますから、最も有望なものを選び、そこに集中的に資源を投入することが求められます。こうして、どのような新事業を開発するのかを明確にすることは、経営者と従業員の間での、企業のめざす方向性の共有につながるとともに、開発責任者や技術者を動機づけることで、人材育成の機会にもなるのです。

(2)新事業開発に関して、営業、開発、生産等の部門間の協力体制が整っている

 新事業の開発は、経営陣や開発チームだけではうまくいきません。試作をうまく量産に乗せていくには生産部門と協力した設計の調整が不可欠です。実際に顧客に新製品を販売していく営業部門も、新製品のコンセプトを十分理解しておく必要があります。新事業の開発は、全社一丸となって、初めて成功するのです。

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