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活力向上ハンドブック

活力向上ハンドブック経営力アップのための70のビジネスメソッドと10の財務指標
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戦略・経営者(市場・競合の把握・SWOT分析・戦略的経営行動)

経営理念に基づいて戦略や事業計画を策定している

 企業経営の目的を達成するためには、経営理念に基づいた具体的な戦略や事業計画が不可欠です。人材育成や製品開発は一朝一夕にはいきませんし、設備投資の回収にも時間がかかります。したがって、ある程度長い期間を見据えた戦略の策定が必要でしょう。上場企業では投資家に対する説明のため、こうした事業計画を公表するのが当然とされています。事業計画によって、株主や従業員に企業が具体的にどのような方向に向かっているのかを明確に示しているのです。

 もちろん、中小企業にとっても経営戦略や事業計画は重要です。まずは、5年から10年先を見越した長期戦略、それが難しければ3年程度先までの中期計画を策定し、その戦略を達成するために実行すべきことを、年ごとに整理してはいかがでしょうか。そうして策定した年次計画を、さらに必要に応じて、月ごと、週ごとの計画に具体的に分割していくことも必要でしょう。

 実際に、東京商工会議所の調査によれば、経営総合力が高い中小企業では、5年以上の経営計画を策定している企業が約2割、3年以上まで含めると約6割に達しています(表)。一方、経営総合力が低いグループでは、未策定が過半数を占めています。これ以外の調査からも、きちんと長期計画を立てている企業のほうが、経営パフォーマンスがよいという結果が出ています。

 事業計画を立てるには、まず(1)現状の分析が必要です。ここでは、企業の内部要因(商品・サービス、設備、技術・ノウハウなど)、外部要因(顧客、市場、競合他社など)、計数面の現状(売上高、利益、財務状況など)を確認します。次に、(2)経営ビジョンを明確にします。3年計画であれば、事業領域、事業規模、部門のバランスなどの観点を含め、3年後にあるべき自社の姿を明らかにします。その上で、(3)経営戦略を策定します。これは、(1)の現状と、(2)の経営ビジョンとを比較した上で、その差を埋めていくためにどのような方針で進めていくか、経営の方向性を定めるものです。最後は、数値目標を含んだ、より具体的な(4)事業計画の策定です。ここでは、さらに部門ごと、年次ごとの目標も設定していきます。

 もちろん、計画は立てただけでは意味がありません。計画の立案から評価にかけての過程をわかりやすく模式化したのがPDCAサイクルです。計画は、(1)プラン(Plan:計画)→(2)ドゥ(Do:実施・実行)→(3)チェック(Check:点検・評価)→(4)アクション(Action:処置・改善)の順に進み、再び(1)プランに戻ります。経営環境は常に変化しますから、計画は常に検証し、場合によっては修正していく必要があるのです。

Case Study

まき込むことで従業員のヤル気もアップ

 M社が期ごとの全社指針を作り始めるのは毎年8月中旬で、9月半ばに部門間で調整する。2か月かけて作成し、10月が期のスタートだ。指針は末端からの積み上げ方式であり、まず部門ごとに作る。課長クラスがリーダーになるが、具体的な作業レベルで動く主任クラスによってテーマの基礎が固まる。主任クラスになれば企業の全体がみられるようになっているので任せられる。この取り組みで企業に起きた変化は「目標がはっきりみえてきた」ことだ。

 同社では、物事を決めていく際には、ボトムアップを重視している。期ごとに定める全社指針にもとづいて各部署のグループごとに活動テーマを出して、その担当表や採点表もあわせて作っている。テーマに対する評価は自分の部署だけではなく、他部署からも行ってもらう(技術部門であれば、製造や営業などからの評価を受ける=総合的評価)という徹底ぶりだ。従業員は自分で何をやっているのかがわかっており、やらされている感がないという。(機械用カーボン等製造・175人)

Step Up

(1)経営理念・社是と戦略・事業計画は整合している

 経営戦略や事業計画は、前段で述べた経営理念や社是と、整合していなければなりません。もし矛盾していると、企業のめざそうとする方向が不明確になり、従業員もどう行動するべきかがわからなくなってしまいます。ずれが生じているとすれば、企業の根本的な方針に対して好ましくない経営戦略や事業計画を立てている、あるいは経営理念や社是が時代に合わなくなっているなどの可能性があります。いずれにせよ、どちらかを修正して、方向性を明確にしなければなりません。

(2)戦略・事業計画が実現に向けて進行しているかチェックしている

 PDCAサイクルは、例えば3か年計画であれば3年間に1回行えば良いという意味ではありません。常にチェック(点検・評価)を心がけ、計画がうまくいっていないようであれば、その対応策を考えていくという流れを示したものです。例えば毎月、3か月ごとなど、定期的なチェック自体を計画に盛り込むことも、一つの進捗管理の方法です。計画を守ることは重要ですが、経済環境や市場動向の変化によって、計画自体が非現実的なものになってしまっては、現場の士気にも影響します。あまり頻繁に計画を変えるのは得策ではありませんが、必要に応じて再度計画自体を考え直すことも大切です。

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