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活力向上ハンドブック

活力向上ハンドブック経営力アップのための70のビジネスメソッドと10の財務指標
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財務管理(資金の運用)

設備投資や備品の購入は計画的に行っている

 固定資産は、企業に投下された耐用年数が1年以上の資産で、土地、建物、機械・装置、車両運搬具、備品、営業権などがあります。そして、固定資産への投資には、拡張投資、取替え投資、研究開発投資、省力化投資、危険防止や社員福祉改善投資などさまざまなタイプがあります。こうした投資のタイプについて、その重要性・緊急性などの視点から優先順位の検討をします。また、固定資産の建設や購入には多額の資金が必要で、しかも長期にわたって資金が固定化されるため、その回収に長い年月を要します。特に、過大投資による資本の固定化は資金繰りを圧迫して経営の困難を招く危険があります。したがって、投資にあたっては場当たり的ではなく、投資目的、投資規模、投資の回収期間などを詳細に検討して、計画的に実施していくことが欠かせません。

 投資案実行の結果、投資案によって見込まれる収益の増加は投資案実現に伴う費用よりも大きくなければ投資をする意味がありません。さらに、どの程度上回れば投資を実行するのか、あらかじめ決めておく必要があります。また、投資の回収期間についても借入金の返済期間などを考慮して自社でのあらかじめ決めていた回収期間と比較して判断します。

 そのため、投資案の費用とその効果を分析するための経済計算が必要です。投資案を実行するための費用としては、特に固定費としての減価償却費が重要な要素です。さらに、投資案の利益率や投下資金の回収期間を算定して、資金調達コストとの関連で投資決定がなされます。ここで投資案の利益率は、「投資案からの利益/投下資金」で、回収期間は、「投下資金/(投資案から利益+投資案の減価償却費)」で算定されます(下表参照)。

 ただし、投資案は貨幣金額で表現される事柄だけでなく、従業員の身体的・精神的安全性、取引先や外注先との関係、長期的な技術力の確保などの諸点も考慮して決定されるべきです。

 なお、投資後の財政状態のバランスや収益性の問題を、各種比率分析を通して検討することも重要です。検討する際の比率としては、「総資本経常利益率(経常利益/総資本)」や「売上高経常利益率(経常利益/売上高)」により投資の収益性を、「総資本回転率(売上高/総資本)」や「固定資産回転率(売上高/固定資産)」により資本の効率性を、「固定比率(固定資産/自己資本)」や「固定長期適合率(固定資産/自己資本+固定負債」により財務の安全性を、それぞれ検討することになります。

Case Study

メニューの多い資金支援策を使いこなせ

 めっき業界は国から経営基盤強化の業種指定を受けている。このため減価償却の特例措置が適用されている。H社はこの制度を追い風に近年、かなり積極的な設備投資を実施している。(プラスチック金型/装飾めっき・80人)

Step Up

(1)投資資金は自己資本(純資産)や長期借入金など安全資金で調達されている

 固定資産への投資は長期にわたって資金を固定化させるため、できるだけ返済義務のない自己資本でまかなわれることが望ましいです。しかし、中小企業の資金調達の現状を考えた時、実際に自己資本だけでまかなうことは非常に困難です。したがって、自己資本のほかに長期借入金など返済期限の長い固定負債を加えた長期の安全資金でまかなうようにしたいものです。つまり、「固定資産/(自己資本+固定負債)」の値を1以下にするよう管理することが重要です。返済期限の短い短期借入金などの流動負債まで投入することは資金繰りをきわめて困難にし、非常に危険であるため避けなければなりません。

(2)投資の際、投資の予定回収期間を算定し、借入金の返済期間とのバランスを考慮している

 設備投資のチェックは、その内容として資金運用と資金調達に合理性が保たれているかという視点が重要です。資金運用については投資計画の設定に無理がないか、設備投資の経済性の計算が十分になされているかが要点となります。また、資金調達については、必要資金量が確保されるか、借入金利などの資本コストは設備投資による収益との適合性があるか、財務の安定性を維持できるか、などが検討事項となります。特に算定した投資の予定回収期間と借入金の返済期間とのバランスが崩れると資金繰りに与える影響も大きいため、資金の調達と運用の両者を総合する観点からの管理が肝要です。

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