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活力向上ハンドブック

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人材・組織(技能継承)

技能やノウハウの継承を含めた、OJTを計画的に実施している

 人材育成の基本はOJT(仕事を通じた訓練)です。体験から学ぶことで実感を持って理解することができます。これを易しい仕事から難しい仕事へと「計画的に展開する」のか、「背中を見て覚えろ」式でいくのかによって、OJTの効果は大きく変わってきます。なお、近年では団塊世代が引退期を迎えて、高度な熟練技能の継承があちこちで問題となっています。長期的に企業を成長させるには、これら熟練の従業員の技能を計画的なOJTを通じて若い世代に教えていくことも重要です。

 OJTを始めるにあたり、まずは各人のスキル(技能)の程度を客観的に見える形にすることが大事です。スキルレベルの評価基準を明確化した上で、複数の機械があるなら、どの機械はどの程度のスキルレベルで仕事をどの程度こなせるかを評価するわけです。そして、未習得の部分を習得できるように目標を立て、計画的に育成していくのです。

 そして、人にものごとのやり方を理解させ、納得させて、実行させるには、「言って聞かせて」、「やって見せ」、「書いて見せ」、「やらせてみて」、「間違いを直し」、「やらせながら、言わせる」といった手順を守るように指導者を指導する必要があります。

 また、OJTだけでなく、節目ごとに外部研修を含めたOFF-JT(職場外の訓練)を配置することで、理論的な理解も進み、その後の成長を加速するものです。ある期間に特定のスキルを習得するだけにとどまらず、学習のしかたを覚えるところにOJTの本当の意味があります。

 前述のとおり、OJTは技能やノウハウの継承を意識しながら進めることが重要ですが、その際には仕組みづくり、意識づくり、環境づくりの3つの分野に分けて考えるとわかりやすいでしょう。(1)仕組みづくりでは、計画的なOJTのやり方、伝えようとする重点技能の絞り込み、そして技能の評価体系の確立、さらにOff-JTによって理論面の補強をするわけですが、その内容を検討します。(2)意識づくりでは、経営者が技能伝承の重要性を認識してリーダーシップを発揮すること、そして管理者もその重要性を認識することです。指導者および学習者の意識改革がなければ計画的にOJTを展開することも難しくなります。(3)環境づくりとして、作業指導マニュアルの整備、計画的なOJTが展開できるような計画の策定、OJTの評価、5Sの徹底などがあります。

Case Study

現場に放り込むことがOJTではない

 P社は配属にあたって好きなことをやらせているので離職率が低く、1年で辞める者はいない。配属後はOJTを行い、段階的に約3年をかけて一人前に育て上げている。マンツーマンで教える段階があるが、NC機の前に旋盤をやらせている。各人の能力を見ながら教えるやり方だ。職長は各作業者の技能を大体把握している。昔とは異なり今は、技術は盗むものではなく、教えるものであると考えている。(射出成型用金型および抜型製造・200人)

 Q社は個人ごとのスキルマップを作った。これは技能を計画的に高めていくために、目標管理の仕組みとして始めたものだ。現場の課長がチェック項目を考え、作業者のあるべき姿と比較して現状の点数を示す。個人の技能を棚卸ししてみると、個人ごとの保有スキルにバラつきがある、などの問題点が浮かび上がった。従業員の多能化をめざしていく社長は、スキルの片寄りを解消し、レベルの平均化を図るためローテーションを積極的に実施していく方針だ。(精密歯車製造・50人)

Step Up

(1)易しい仕事から難しい仕事へと段階的・計画的に移動させている

 育成すべき事項を明確にした上で、易しい仕事から難しい仕事へと計画的に配置して、それぞれの段階で仕事がマスターできているかどうかのチェックを各段階で行う必要があります。

 教育訓練の効果測定を考えると当然のことですが、教育訓練の終了時に理解できているか、習得した実技のレベルを確認する必要があります。そして、最終的な評価は顧客の満足度(製造工程なら後工程の担当者からの評価)で評価することになります。その際に、5Sを徹底することも重要です。特にしつけ教育が重要です。変なクセが付いた従業員は使いにくいものです。

(2)指導職が後継者に対して指導する時間を就業時間内に確保している

 指導職となる人はベテランの中でも職場の中核的な人材でしょう。つまり、皆から頼られて、大事な仕事はそのような人に集中しているものです。多忙な上に指導職としての役割も担わなければなりません。経営者が本当に技能継承の重要性を痛感しており、努力したいと考えているなら、指導のための時間を確保しなければなりません。それも仕事のうちと考えて就業時間内に確保したいものです。OJTを補完する意味で雇用・能力開発機構の職業能力開発促進センターなどでの研修を受けさせるといったこともあります。これも時間外で開講されているコースなら残業がその日に入らないように調整するといった配慮があって良いかと思います。

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