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活力向上ハンドブック

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人材・組織(組織運営)

社内の命令系統や権限・責任が定められ、社員もこれを理解している

 改善活動が無限に続くように、作業標準もできたその日からより良いものへと見直しが始まります。業務分担や社内組織のあり方も常に最良のものを求めて柔軟に変更していくものです。顧客動向などの需要の変化に応じて、それに上手く適応できるように企業行動を変化させ、組織もそれに見合ったものに変化させるものです。

 事業規模が小規模の段階では、生産・販売から企画管理までを一人で行い、生産と販売の機能も分離していません。事業規模が大きくなってくると、社長の直接管理が難しくなってきます。そこで、管理を行き届かせるために、生産と販売(ライン部門)を分離し、その企画・管理を行う部門(スタッフ部門)も分離させたライン・スタッフ制と呼ばれる組織へと衣替えさせるのが一般的です。しかし、大企業でよく見られることですが、スタッフ部門が肥大化して、本来ならば、ライン部門が行うべき仕事にまでスタッフ部門が進出して抱え込んでしまうことが起こります。すると官僚制化が進んでしまい、意思決定のスピードも格段に落ちてしまうのです。

 このような弊害を除くには、組織をなるべくフラットにして、意思決定の情報の流れを良くします。同時に、小グループ単位で担当領域の全ての仕事について担当し、PDCAサイクルを回すことで完結するように担当職務を再編する必要があります。その際は一人ひとりが幅広い職務を担当することになるので、多能的な人材が養成されていなくては上手くまわりません。また、このような組織にすることの目的に加え、具体的な命令系統や権限・責任の所在を従業員がきちんと理解することが重要です。

 ある大企業では、販売員個人にコンピュータ端末を持たせて、スタッフ部門で行っていた仕事を営業員に担当させています。また、工場部門においても、専門の生産管理担当者は配置せずに、現場の人間が在庫管理や出荷情報についても扱うなど、より効率的に業務を行えるように権限・責任を柔軟に変更しています。

 このほか、命令系統や権限・責任が曖昧な場合、従業員による費用の不正な使用や過大請求などが生じる可能性も否定できません。業務の効率性だけでなく、内部管理をきちんと行うためにも、命令系統や権限・責任の明確化が求められるといえるでしょう。

Case Study

中小企業だからできる全社組織のガラガラポン

 E社は職場全体の配置や組み合せの変更を2~3年に1回の頻度で定期的にやっている。きっかけは製品の機種によって忙しさにバラつきがあるので、それを解消するためだった。配置替えをしないと製造部門は担当業務に関して“自分の城”を持ちたがり、他へ教えようとしなくなるという問題もある。技術はいろいろな人と共用しないと企業全体にプラスにならない。配置替えでは工場内での場所を変えたり、グループの人数を増減したり、持ち場をローテーションさせたりする。これを実施する際は事前に説明会を開いて、計画を説明し従業員の意見もきちんと聞いている。企業としては、生産性の向上や品質の向上のため、などと目的を説明する。配置替えのメリットとして、従業員の技術の幅を広げられることがあげられる。また忙しさの偏りが減って残業時間も平均化している。さらに休日出勤も減った。効率良くやれば残業をしなくて済むということだ。(電気機械器具製造・50人)

Step Up

(1)職場の責任者は、担当職場の運営上の責任と権限が明確にされている

 組織運営の要は責任と権限です。特に何人かを束ねた職場の責任者(管理・監督者)がその職責を果たすためには、責任と権限が明確にされていなければ、判断の振れが大きくなり、部下からの信頼を得ることが難しいでしょう。つまり、責任もとらずに権限もない形だけの上司であったなら部下はついて行きません。

 部門長には日常的な業務運営だけではなく、その職場内のメンバーに対する人材育成の責任もあります。いくら潜在能力があっても磨いて顕在化させなければ活躍してもらえません。もうかる仕組みを構築すると同時に、部下を育てることができなければ、部門の付加価値生産性を高めることができません。その前提として、権限委譲をできるだけ進めると同時に、運営上の責任と権限を明確にしておくことが肝要です。

(2)標準化・マニュアル化を進めると同時に、そのマンネリ化を防ぐために見直しや改訂をしている

 標準化・マニュアル化は大事ですが、そこでとどまってしまってはマンネリ化は避けられません。厳格な職務給の世界では職務範囲が明確で責任と権限も明確に規定されます。しかし、決められたことを決められたとおりに永遠にこなすだけでは、マンネリ化するだけで、ものごとは変わりません。変革を求めるには決められたことを変えていく態度を作り上げなくてはならないのです。そのためには自分たちの職域にこだわらずに、企業全体のことを考えて自律的に動ける人材の蓄積を図る必要があります。標準化・マニュアル化を自分たちなりに日常的に見直して改訂していく、あるいはミスが少なく、より使いやすいマニュアルを自分たち自身で作ってもらうといったことも効果的です。

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