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7 重点政策課題(価格転嫁)

価格転嫁(データと対話が価格交渉を成功へと導く)

データと対話が価格交渉を成功へと導く

経済産業省「価格交渉ハンドブック」2023年6月によると、帝国データバンクが実施した「特別企画:価格転嫁の成功理由に関する企業アンケート(2023年2月9日)」の結果、価格転嫁ができた企業のうち、多くは「原価を⽰した価格交渉」が有効と回答され、次いで「取引先への価格改定の通知」「業界全体における理解の進展」が有効とされています。
以下は、価格転嫁を成功させるための3つの取り組みの必要性についての解説です。これらの取り組みは、取引先との円滑な価格交渉を実現し、企業の持続的成長を支えるために重要です

7-1 自社商品・製品の原価構成を把握し、原価を示した価格交渉をおこなっている

価格交渉において、取引先に提示するデータが具体的で客観的であるほど、説得力が増します。自社商品の原価構成を詳細に把握し、取引先にその内容を適切に示すことは、原価上昇の正当性を説明するための基本となります。この取り組みにより、取引先に「原価増加に基づく価格改定」の妥当性を理解してもらいやすくなり、交渉の成功率が向上します。価格交ハンドブックでも、価格交渉の際に客観的なデータを揃えることが有効であるとされています。

7-2 原材料費や人件費の上昇時に、取引先へ価格改定の通知をおこなっている

価格改定は突発的に通知するのではなく、タイミングや方法を慎重に検討する必要があります。原材料費や人件費の上昇が発生した際には、取引先にその事実を丁寧に通知し、コミュニケーションを継続的に深めることが重要です。このような対応を取ることで、取引先は唐突感を感じることなく、価格改定に前向きな姿勢を示しやすくなります。また、適切なタイミングで通知を行い、取引先に十分な準備期間を与えることが、信頼関係を維持しながら価格転嫁を実現する鍵となります。

7-3 業界全体における理解の進展を促すように業界内で積極的に働きかけている

価格交渉の成功は個別企業の努力だけでなく、業界全体の共通理解が進むことでさらに促進されます。例えば、業界団体や同業者との連携を通じて、価格改定の必要性やコスト構造の変化を業界全体で共有することが効果的です。このような取り組みは、取引先に対して「業界全体の取り組み」としての説得力を持たせることができ、交渉を有利に進める助けとなります。また、業界全体で価格転嫁の正当性を訴えることで、取引先も納得感を得やすくなります。

これらの取り組みを実践することで、取引先との信頼関係を維持しながら、持続可能な価格転嫁を実現する基盤が整います。継続的なデータ収集とコミュニケーション、業界全体での理解促進が、価格交渉の成功を支える重要な要素です。

これらの取り組みを実践することで、取引先との信頼関係を維持しながら、持続可能な価格転嫁を実現する基盤が整います。継続的なデータ収集とコミュニケーション、業界全体での理解促進が、価格交渉の成功を支える重要な要素です。

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