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活力向上ハンドブック

活力向上ハンドブック経営力アップのための70のビジネスメソッドと10の財務指標
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マーケティング(マーケティングへの取り組み)

本社、店舗、工場など、拠点の立地特性(交通の便、商圏人口)を理解している

 企業の立地は、生産活動に便利であったり、消費者に近かったり、従業員の雇用が容易であったり、などといった必然性があって決定されたものです。ただ、そうした立地上の優位性は、企業自身の生み出す製品やサービスの変化や、法律や雇用情勢など周囲の環境変化に伴い、必ずしも続いていくものではありません。したがって、本社、店舗、製造拠点など、企業の拠点それぞれについて、現在求められている条件を十分に考慮し、それに対して現在の立地が好ましい状態であるのかを再検討する必要があります。

 製造拠点、本社、店舗などのそれぞれの立地を検討する際に特に留意すべき点は以下のとおりです。製造拠点では、まず原材料の調達の容易さや、下請先、外注先との距離の検討が求められます。本社(本部機能)は、本社で対応する顧客や関係先とのアクセスに加え、情報収集の拠点となっているか、他拠点との連携に不便はないか、金融取引に都合はよいか等があげられます。店舗(支社)は、顧客や販売先との関係、ライバルの立地が大きく関係します。あわせて、自社店舗間の距離も検討する必要があります。店舗の密度が高いと顧客からのアクセスはよくなりますが、自社の拠点間で顧客の奪い合いが起こること(カニバリゼーション・共食い現象の発生)も考えられるからです。自社店舗間の距離を検討するためには、店舗ごとの商圏(集客できる範囲)と、その商圏内の人口や特性を把握することも必要となります。

 さらに、こうした個別の課題に加え、法律上の規制、人材確保の問題、交通網の変化、商圏人口・特性の変化といった外部環境の変化も考慮しなければなりません。また、周辺の環境への配慮も都市部に限らず重要になってきました。

 一方、企業には歴史があります。既存の従業員や目に見える資産の蓄積だけではなく、地域や地元企業とのつながりも、無視することはできません。また、多くの企業が、創業の場所を心のよりどころとして、非常に大切にしています。ただ、企業の永続性を考えた場合には、場所にこだわり過ぎるのは得策ではないかもしれません。創業時にはその場所が最適であっても、環境は変化します。特に東京では環境変化が激しく起こっています。

 したがって、製造拠点、本社、店舗などのそれぞれの立地特性と求められる機能を検討した上で、海外への展開も含めて、拠点の再編成も、戦略の一つとして考えるべきでしょう。

Case Study

立地を地の利に変えればリッチに

 一番の得意先である石油メーカーのある製油所では、稼働しているポンプ6,000台はほとんどF社のシールが使用されている。さらにその石油メーカーの国内の各拠点にサービスステーションを設置したので重宝がられている。メカニカルシールは使い方によっていつ漏れ出すかわからない。そのまま放っておくと製品のせいになって「あそこの製品は良くない」と噂されるため、石油コンビナートごとにサービスステーションをおいて、すぐに顧客のもとへ飛んでいくようにした。工場は、茅ケ崎と諏訪の近くの辰野にあり、金属加工部門は上越にある。この工場配置は地震対策でもある。(機械用カーボン等製造・175人)

 G社の社長は、京浜工業地帯に立地することで、多数の工場の製造現場を見ることができ、とても勉強になっているという。町工場に行ってもただ見ているだけでは何も教えてくれないが、そこの社長と仲良くなるとあれこれ教えてくれるようになる。(表面チップ実装機製造・12人)

Step Up

(1)本社、店舗、製造拠点の立地の特性が自社の強みになっている

 SWOT分析を行った場合に、それぞれの拠点の立地特性は必ず自社の「強み」となっているべきです。なぜなら、従業員の雇用確保や資金制約といった課題は大きいとはいえ、拠点の立地変更は経営者が自らの判断で行うことが可能なものだからです。前段のとおり、同じ場所であっても、そこが店舗に適しているのか、工場に適しているのかといった諸条件は時代とともに変わってきます。もし立地が「弱み」となっている場合には、ただちに拠点の最適化を検討すべきでしょう。

(2)本社、店舗、製造拠点の立地が最適になるよう検討している

 拠点の最適化には、いくつか方法が考えられます。まず、既存の拠点間での調整です。例えば、都心に店舗と本社が、郊外に工場がある場合、本社機能の一部を工場に移転して店舗面積を広げれば売上の増加につながるかもしれません。次に、新たな拠点の設置です。この際、新拠点による既存拠点への影響も考慮する必要があります。最後に、拠点の廃止や統合です。住宅に囲まれてしまった工場など、「弱み」の解消が困難である拠点は、思い切って廃止するのも選択肢の一つです。こうした想定されるケースごとにコストやメリット・デメリットを比較検討し、海外も含めた拠点の最適化を進めていくことが求められています。

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