助成金・補助金等、経営力UPの経営情報が満載!
はじめての方 会員登録ログイン

活力向上ハンドブック

活力向上ハンドブック経営力アップのための70のビジネスメソッドと10の財務指標
シェアツイートLINEはてぶ
戦略・経営者(自律的経営と外部資源マネジメント)

外部の助言者(メンター)がいて、経営者としての悩みをいつでも相談できる

 項目1-14では、税理士、経営コンサルタント、公的試験場や研究機関の技術者など、外部の専門家の重要性を説明しました。ここでいう外部の助言者(メンター・mentor)は、こうした専門家とは少しニュアンスの異なる存在です。

 メンターは、辞書では師匠、相談相手、指導者などと翻訳されていますが、米国やカナダなどで中小企業支援を行っている公的機関では、無償または少額の報酬によるボランティアで経営上の悩みの相談に乗る先輩経営者を、メンターとして新しく事業をスタートした経営者(メンティー・mentee)に引き合わせています(下表参照)。会計や法律といった相談もありますが、それよりはむしろ、経営者としての経営判断のストレスを受け止めてもらう存在となっているようです。

 経営者は、自己責任で意思決定をすることが求められる、ある意味、孤独な存在です。いくら信頼できる家族であっても、経営者独特の悩みを聞いてもらうには十分ではないかもしれません。経営上の悩みを率直に相談できるメンターの存在は、経営者の心の支えともなります。特に、新たに事業を始めた人や、後継者として経営者になったばかりの人は、さまざまな初めての体験する問題に直面するため、なおさらです。

 日本では、先輩経営者をメンターとして紹介するような体制はあまり構築されていないため、そうした人は経営者自身が探す必要があります。その場合、むしろ異業種の方が、利害関係があまりない分、本音で相談に乗ってもらえるかもしれません。信頼できるメンターの存在は、経営者として活躍していく上でも大きな影響を与えることになるでしょう。

カナダの中小企業支援機関SADCにおけるメンター紹介制度
メンター活用の目的経営者の経営知識の向上と経営力の強化
事業の成功確率の向上と致命的失敗の回避
経営者の孤立感の除去
メンティーの条件営業を開始している新規開業者
紹介の手順SADCへの登録
SADC担当者、メンター候補者との三者面談
機密保持契約締結
300カナダドルの手数料支払い
メンターの開始
メンターとメンティーの関係お互いの信頼関係に基づく関係
メンターは助言を行うが最終的な意思決定には関与しない
1年更新
SADC担当者が随時フォロー

資料:SADC du Suroît-Sud のホームページより抜粋・著者翻訳

Case Study

普段会わない人に会ってみる

 GG社の社長は、営業の時にできるだけ顧客の現場に入って、奥深くまで聞くように心がけている。そのため、取引先企業のカギとなる人物に会うことができるネットワークが重要となる。同社の場合、社長の個人的な関係で先輩にあたる人たちにかわいがられて、それがキーマンとのネットワークにつながった。諸先輩から取引先企業に「後輩がいるよ」と紹介されて人脈をつくり、キーマンと接触して貴重な話を聞くことができている。(半導体用各種プローブ等製造・40人)

Step Up

(1)異業種の経営者や大企業の役員などに時々相談している

 半導体製造装置のテスター関係のソフト開発を手がけるソフトウエアハウスの経営者は、自分でもベンチャー企業を起業した経験があることに加え、ベンチャー企業の経営に途中から参画して100名規模の企業を3,000名規模にまで成長させた経験のある大企業の会長から月1回のメンタリングを受けています。県庁が間に入って、地域で注目されているベンチャー企業3社の経営者にその会長をメンターとして斡旋してくれたそうです。

 このような成長中の若い企業では特にメンターとなってくれる経営者などの存在は大きいものです。ハイテクベンチャー企業はどちらかと言えば技術には自信がありますが、安定的な受注を獲得する方法や市場を開拓する方法などマーケティングに絡んだ相談や、資金繰り、好ましい出資者の見分け方などで相談に乗ってもらえることは力強いでしょう。

(2)現在のビジネスとは利害関係のない相談相手がいる

 IT関連機器の設計開発を行っている機械メーカーは、社長自身が学生起業家だったために、一時、脚光を浴びて、さまざまな会合に呼ばれてプレゼンテーションをする機会に恵まれていたといいます。そこで、異業種の企業経営者と知り合いになることができ、応援してくれる先輩経営者も少なくなかったようです。ビジネス面での重なりはありませんが、法律や資金繰りなど経営者としての悩みを電話で相談できるネットワークができていたといいます。また、同社では経営幹部が視野を広げるために、大学の先生や研究所の研究員など、自社の専門を超えた領域の専門家を呼び話題を提供してもらう勉強会をしていたのですが、そのようなネットワークも利害を超えて応援してもらえる関係が構築でき、その後の同社の成長につながっているといえます。

前の記事一覧ページに戻る次の記事

< ハンドブックTOP

pagetop