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マッチングサイトで、営業力を強化しよう!

中小企業がコストをかけずに自社PRやBtoB取引を推進する方法として、公的マッチングサイトがいま注目されています。本コラムでは、これらの特徴、登録・利用方法やビジネス活用の有効事例を紹介し、サイトを活用した営業推進について解説します。

(掲載日 2019/12/23)

公的マッチングサイトの有効活用

1.インターネットを使ったプラットフォームの活用

インターネットが私達の生活に身近な存在となり、多種多様な情報のやりとりができるようになった現在、インターネット上のプラットフォームを活用する動きが進展しています。

例えば、就職希望者と企業求人をマッチングさせる就活サイトがよく知られていますが、最近はシェアリングエコノミーを背景としたドライバーと乗客をマッチングする配車サービスや、旅行者と宿泊予約をマッチングさせるコミュニティサイトなど様々なサイトの利用が活発化しています。
インターネット上のプラットフォームを利用することによって地理的な制約にとらわれない新たな企業同士の出会いやBtoBの取引も創出されています。

今回のコラムでは、企業がなるべくコストをかけずに売り手と買い手の出会いの場を提供する公的マッチングサイトをいくつかご紹介します。

(下画像出典:ビジネスチャンスナビ2020WEBサイト)
https://www.sekai2020.tokyo/about_bcn2020/

2.公的マッチングサイトの紹介

(1)ビジネスチャンス・ナビ2020
「ビジネスチャンス・ナビ2020」は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に設けられた官民の入札・調達情報を一元的に見られる受発注取引のマッチングサイトです。

2016年のサービス開始以降、登録利用企業は3万社(2019年10月時点)を超えており利用者は増加しています。公益財団法人 東京都中小企業振興公社のビジネスチャンス・ナビ2020運営事務局が運営しており、東京都や国、東京2020組織委員会、民間企業などが入札・調達情報を「ビジネスチャンス・ナビ2020」上に登録しています。

利用者は電子入札への参加、発注案件の受注、発注案件の掲載といったマッチング機能に加え、自社の持つ製品や技術力、実績などを写真画像や動画を使って、自社をPRしたり、新たなビジネスパートナー探しを行ったり、様々な機能を使うことができます。

なお、東京2020組織委員会における東京2020大会の調達物品やサービスの電子入札参加は原則として本サイトを通じて行われます。東京都だけでなく全国の事業者が利用可能で、登録・利用共に無料で行えます。農業・畜産業・水産業の登録も増えており、生産者情報や食材情報が掲載されイベントの食材調達にも利用されています。


(2)ザ・ビジネスモール
「ザ・ビジネスモール」は、商工会議所・商工会の会員企業向けマッチングサイトで全国約26万者(2019年11月時点)が登録しています。

商談の相手探しや自社のPR、仕入先探しなどビジネス活性化につながるサービスを幅広く展開しています。ユニークなところでは簡易ホームぺージ開設サービスも提供しています。

「ザ・ビジネスモール」は日本全国の商工会議所・商工会が共同で運営しており、事務局は大阪商工会議所内に設置されています。登録や基本サービスは無料ですが、一部サービスには有料のものもあります。


(3)J-GoodTech
J-GoodTech(ジェグテック)は、独立行政法人 中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営する国内の中小企業と大手企業や海外の企業を結ぶマッチングサイトです。

登録企業数は中小企業、大手企業、海外企業をあわせて約23,000社(2019年9月時点)で、中小機構や自治体、各国の支援機関などから推薦された企業が登録されています。ビジネスパートナー探しや企業が保有している技術・サービスのPR、登録機関同士の情報交換などが活発に行われています。国内だけではなく、海外企業への情報発信やマッチングが行える点が特徴で、利用はすべて無料で行えます。


(4)TTPP
TTPP (Trade Tie-up Promotion Program)は、ジェトロ(日本貿易振興機構)が国際的なビジネスパートナー探しを支援しているサイトで、各国の貿易振興機関や政府系機関などが運営するビジネスマッチングサイトと相互に連携しており、海外からの調達や海外への販路開拓を求める企業に適しています。

掲載される海外のビジネス案件は、ジェトロが翻訳しているため日本語で見ることができます。利用はすべて無料で行えます。


(5)インターネットビジネスマッチング
インターネットビジネスマッチングは、日本政策金融公庫が提供するマッチングサイトです。国内の多様な業種・規模の事業者とマッチングできる点が特徴でニーズがマッチすれば「商談ぺージ」を利用して具体的な商談が行えます。利用には会員登録が必要で、会員は無料でサービスを利用できます。

3.ビジネス活用の有効事例

昨今、国内労働力人口の減少が顕著で人手不足は益々深刻化しています。ここでは公的マッチングサイトの一つ「ビジネスチャンス・ナビ2020」を使ったビジネスパートナー探しのマッチング事例をご紹介します。

A社は全国の道路やトンネルなど社会インフラの調査点検業者で独自技術により受注は好調でしたが、点検装置を操作する人手が不足し、特に出張を伴う地方での受注をあきらめざるを得ない状況に直面していました。

そこで「ビジネスチャンス・ナビ2020」上でビジネスパートナーを募ったところ、東北地方を地盤とし、マンパワーによる調査が得意なB社との協定締結につながり、A社、B社ともに受注機会を増大してWin-Winの関係を築くことに成功しています。

成功のポイントは両社が自社の経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)の状況をよく把握したうえで、ネット上のプラットフォームを利用して経営資源(本事例の場合はヒト)を補完することにより、人手不足という環境変化に対応できたことにあります。

4.公的マッチングサイトを使った営業推進

高度な技術や品質の良い商品を持っていても営業力不足のため売上が伸びず、時には機会損失が生じていることもあります。営業のマンパワーが不足している企業も自社ホームページ(以下、HP)等で自社技術や商品を上手く情報発信できれば営業推進効果を得られますが、自社HPと低コストの公的マッチングサイトを連動させることによって、更に新たなビジネスチャンスの獲得や市場開拓が行いやすくなります。

今回ご紹介した公的マッチングサイトにはそれぞれ特徴がありますので、自社の活用目的や期待効果によって内容を吟味し、最適なマッチングサイトを選択して利用することをお勧めします。

著者プロフィール

児山 一雄(ZMCコンサルティング 児山中小企業診断士事務所 代表)

中小企業診断士/高度情報処理技術者 
政府系金融機関勤務を経て現在中小企業診断士として活動中。前職での経験とIT知識を活かし営業力・プロモーション強化による集客力アップ、中長期戦略立案、IT利活用や技術承継による生産性の維持・向上、事業承継相談など中小企業の経営に関わる様々な課題の解決に取組んでいる。

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