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活力向上ハンドブック

活力向上ハンドブック経営力アップのための70のビジネスメソッドと10の財務指標
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人材・組織(多様な労働力の活用)

適性に応じ、女性、高齢者、海外人材など多様な人材を採用し、活用している

 日本の人件費は一時ほどではありませんが、国際的に見れば高水準です。下表は生産労働者の時間当たりの労働費用をアメリカを100として換算したものです。ドイツやスウェーデンに比べれば低いのですが、台湾、韓国などに比べると高水準にあります。しかし、賃金水準が高いからといって、競争力がないかといえばドイツやフィンランドの例を出すまでもなく、高付加価値商品に上手くシフトしている国では、かなりの競争力を維持しているのが実態です。

 むしろ、日本で深刻なのは少子高齢化による労働力人口の減少です。ロボットなどの導入による省力化を進める一方で、女性、高齢者、外国人といった労働力に期待する部分が一段と増えてきます。女性の希望は以前は事務職希望が圧倒的に多かったのですが、生産ラインで従事するだけでなく、CAD/CAMや、生産管理あるいは倉庫部門などで働く方も増えており、製造業でも女性の活躍する場は広がっています。ものづくりに関わりたいとの女性も多く、特に職場を選ばなくなりつつあるともいえます。また、高齢者は65歳定年から年齢制限をなくす方向の流れになっており、健康な高齢者の活躍の場をこれからも積極的に作り出していく必要があります。外国人労働者に関しては単純労働者の採用はできませんが、大卒の技術者等に関しては積極的に採用することが可能です。特に、留学生で日本で働きたいと希望している方は多いのですが、年々留学生が増えているにもかかわらずあまり採用は多くありません。今後は彼らの活用を真剣に考えていく必要があるでしょう。また、技能実習生に関して制度も定着してきており、今後もルールにもとづいて、彼らの育成と実務訓練のメリットを生かした活用が考えられます。

 派遣労働者も含め多様な労働力をベストミックスして活用することが重要な経営課題となるでしょう。

Case Study

働きやすい職場づくりから始めよう

 I社は技術を伸ばすために技術者を育て、分析装置などの設備を整える必要があった。接点のある大学の先生に声をかけて学生を集め、女性の技術者が働きやすいように談話室やトイレを改装し、工場や社屋も近代的なイメージに変えている。高額な分析装置類は同業者との共同購入で安く入手した。また、同社では定年を過ぎても本人の希望により、継続勤務が可能としている。新入社員はベテラン社員から企業の規律などを教わっており、高齢者の活用も忘れない。(めっき技術開発・92人)

 J社は定年を過ぎても、同社にとって特に必要な技術を持っている従業員はさらに続けて働いてもらっている。やはり、難しい問題の解決にはベテランの経験が頼りになるという。最近ではむしろ、高齢者の優れた技能を積極的に活用するようになってきた。(ボルト/ねじ製造・270人)

Step Up

(1)高齢者や女性等の活用のため、短時間勤務制、ペア勤務制などを導入している

 高齢者や女性を活用する上では、勤務時間の工夫が必要です。高齢者は年齢が高まるほど体力的な問題が生じ、収入動機よりも社会への参加意識が高まるので、毎日フルタイムで働こうという人よりも、隔日やパートタイムでの希望が多いです。また、女性も継続就労を考えている人は、女性に限ったことではないのですが、家庭生活との両立を図れるような働き方を重視しており、ワークライフバランス(仕事と家庭の両立)に比重を置いています。

 フルタイムで働き続けるのは難しいものの、短時間勤務や二人で一人前のペア勤務などによって、働きやすい環境を用意できれば、多数応募してくるでしょう。しかしながら、製造業ではパートタイマーについてもかなり長時間働いているケースが多くなっています。女性や高齢者に優しい職場づくりは、全従業員に優しい職場になるでしょう。

(2)障害者の定着・活用のために、障害者の就業支援をする社内ジョブサポーターを決めている

 不況の影響もあって、中小企業の障害者雇用率が低迷しています。大企業に関してはここ数年上昇してきたのですが、もともと雇用率の高かった中小企業で厳しい状況が続いています。障害者の雇用は社会貢献というだけではなく、適職を開発すれば彼らに十分活躍してもらうことができます。知的障害者の活用を進めている企業の例では、生産工程をカラーコーディングするとか、簡単な治具を作って作業性を高めるなどの工夫をしています。知的障害者の職場適応はなかなか難しいので、ハローワークなどのジョブサポーターも指導に加わってくれますが、むしろ、従業員が勉強をしてジョブサポーター役を担ってくれると、作業内容を理解していることもあり、彼らにどのようにすれば作業性を高めて配置できるかといった現実的な対応が可能となります。そのような試みをする企業が増えて欲しいものです。

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