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経営用語Q&A

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6 危機管理・知財・CSR

会社分割が濫用的であるとして否定される場合があることをご存じですか?

当社は、ハウスメーカー等へ建材を販売する建材卸売業を営んできました。
バブル崩壊後の経済環境の中で売上が徐々に下がり、借入が多くなっていたところに、依存度が高かった大手企業から取引停止されたことを直接のきっかけに、資金繰りに窮するようになりました。
以前、事業の優良部分を会社分割という手法で別の会社に移し、借入金は従来の会社に残すことで、新会社で事業を再スタートできる、そのことについて金融機関などの債権者に了解をとる必要はないと聞いたことがあります。
それは本当でしょうか?
結論として、そのような場合は金融機関などの債権者に事前に相談する必要があるとお考えください。

会社分割について、会社法では、債権者保護手続により異議を述べることができる債権者を、会社分割後に分割会社に対して債務の履行を請求できなくなる債権者に限っています。
その根拠は、分割会社に対価として新設(または承継)会社の株式が割り当てられるため、分割会社の債権者が債権の引当てとする分割会社の純資産は不変であるという点にあります。

しかし、実際は、債務超過状態にある株式会社が、会社分割によって優良資産を新設(または承継)会社に移転してしまい、分割会社の債権者が弁済を受けられない事態が多発しました。
このようなケースは、「濫用的会社分割」と呼ばれています。

濫用的会社分割について、判例(最高裁判所平成24年10月12日判決)は、詐害行為取消権(民法424条)により会社分割の効果を取り消し、分割会社に債務返済原資たる財産を復帰させることを認めました。

今年の通常国会で成立が見込まれている会社法改正案の中では、債権者に不当な損害が生じることを知りつつ会社分割を行った場合には、債権者は分割により設立された会社に対して債務の履行を請求できる、という変更がなされています。
もっとも、この改正は、会社分割を利用した事業再生をすべて否定するものではありません。
事業に将来性があり、かつ事前に主要な債権者と十分に交渉して行うのであれば、新しく設立された会社への請求が認められる可能性は低いと考えられます。

詳しくは下記リンク先のホームページをご覧ください。
http://www.tokyo-cci.or.jp/seisaku/topics/kaishaho/
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