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「大豆で日本を元気にする」老舗専門問屋の挑戦

企業名:永和産業株式会社  取材先ご担当者様:専務取締役:田中恵一郎氏

後継者のチャレンジを推進する組織づくり

主要顧客である町の豆腐屋が年々減少を続ける中、同業である大豆問屋の数は減っていない現況から、従来のビジネスモデルを続けるだけでは消耗戦になってしまうと考えた。

企業概要

永和産業株式会社(代表取締役:田中收氏)は大豆の専門問屋である。豆腐工場や町の豆腐屋を主要顧客に抱え、大豆選別代行事業(生産者から大豆を預かり、選別機を使って用途別に選別する事業)では無農薬・無肥料の自然栽培の大豆を取り扱うなど、生産者を巻き込んだ取り組みを進めている。
近年は、プライベートブランド商品である大豆菓子「大豆しぼり豆」を消費者にオンラインで販売するほか、料理研究家や味噌メーカーに大豆を提供するような販路開拓も進める。また、SNSや絵本・書籍への取材協力、保育園や小学校に通う子供たちへの食育を通じて、大豆や大豆製品の素晴らしさを積極的に情報発信しており、「大豆で日本を元気にする」という経営理念を実践している。

企業の悩み

後継者である専務取締役の田中恵一郎氏は、主要顧客である町の豆腐屋が年々減少を続ける中、同業である大豆問屋の数は減っていない現況から、従来のビジネスモデルを続けるだけでは消耗戦になってしまうという強い危機感を持っていた。
田中専務は、将来の事業承継を意識した使命感のもと、外部の勉強会やセミナーに積極的に参加しヒントを収集する中で、2つの悩みに行き着いた。
1つ目は、新規事業である。プライベートブランド商品の開発やブログによるPRを開始したものの、田中専務独自の取り組みに負うところが多く、業務の繁忙によって手が回らなくなってきていた。2つ目は、人員体制である。事業継続の観点からベテラン社員の後を担う新規人材を採用したいが、しばらく採用実績がなく、迎え入れる体制を整える必要があった。
上記の悩みを解決するためには手をつけるべき点が多く、どこから施策を考えるべきかを見定める必要があったため、本プロジェクトを利用することにした。

導き出された課題

「中小企業活力向上チェックシート」を用いたセルフチェックに続いて、中小企業診断士による経営診断を受け、現状整理と課題把握を行った。
その結果、田中専務が具体的に認識していなかった課題を含め、①既存事業と新規事業の洗い出し、②経営計画の策定、③経営管理の仕組みづくり、④人材確保への準備、の4点が重点課題として提案された。
これらの課題解決に向けて具体策を詰めていくため、本プロジェクトのアシストコースの利用を申し込んだ。

提案された解決策

1年弱の間、全9回にわたる専門家からの支援を受けながら、課題解決の具体的な施策を優先順位付けしたうえで事業計画書としてまとめた。
実行にあたっては、田中専務のチャレンジを組織的に推進するために、社長以下すべてのメンバーに新規事業の目的と意義、経営管理の状況を共有するとともに、これまで分散していた顧客情報を集約することの重要性を確認した。
営業面では、同業他社とのシェアを意識したメリハリあるアプローチを心がけ、主要商品である大豆や食用油に加え、にがりなどの関連商品もセット提案できるよう、工夫を進めていった。
また、廃業する豆腐屋がある一方で、特色ある豆腐屋の開店を支援することが、同社にとっても重要な戦略であり、豆腐製造や小売に必要なものをすべて取り揃えられるような商品ラインナップを、今後も強化していくことにした。

提案した中小企業支援施策

その後の状況

創業以来、定期的な会議は実施してこなかったが、アシストコースによる支援終了後には、全社員で情報交換する会議を設けた。
「今、何が売れているのか」というテーマが議題になった際は、ある他社商品がSNSで話題となったことで売上が急増したらしいという情報が社員から共有された。これが若い社員にInstagramの運用を任せるきっかけとなった。これまではオンライン広報を一人で担ってきた田中専務も、こうした役割分担や権限委譲を通じて、組織的なチャレンジが可能になると考えている。
差別化を意識して開始した大豆選別代行事業では、意欲的な生産者との繋がりが生まれ、通常なら仕入れが難しい自然栽培の大豆も商品ラインナップに加えることができた。さらに、豆腐好きの消費者や生産者、業界人のコミュニティである「豆腐マイスター仲間」との交流が、口コミでの注文につながっている。絵本「まほうのおまめ」や書籍「まいにち豆腐レシピ」への取材協力も、「豆腐マイスター仲間」から提案されたもので、広報戦略の幅が広がった。これまで積み上げてきた業界内外からの信用に全力で応えていくことで、この好循環の輪をさらに大きくしていく考えだ。
また、長引くコロナ禍の影響で、学校給食や飲食店への納品は減少したものの、中食需要の高まりにより、町の豆腐屋への販売は増加している。こうした消費需要の動向も細かくフォローして、顧客の要望に応えていきたいと田中専務は語る。

企業様の声

自社の弱みを外部の方にお話しするには勇気が必要でした。しかし、「会社を必ず良くしたい」という覚悟でオープンにした結果、様々な企業の事例を知る中小企業診断士にしっかりと受け止めていただき、取り組むべき課題と施策の優先順位を提示いただけたので助かりました。
勉強会で知り合った後継者仲間たちとも切磋琢磨しながら、経営者としての心構えを磨くよう努めています。まずは、事業承継までの時間をフル活用して、組織的な広報・マーケティングをさらに強化していきたいと思います。足元の売上につながらない試みも多いのですが、持続的な成長のためには必要な「種まき」だと思っています。
今回のプロジェクトでは人材確保については中長期的な課題として優先順を下げましたが、現在の施策の進捗を見ながら、今後取り組んでいきます。
(専務取締役:田中恵一郎氏)

支援者の声

アシストコースにおいて事業計画書の作成をすることによって、様々な販路拡大や販路開拓の施策の洗い出しをすることができました。事業計画の実行支援を通して、田中専務の市場縮小の危機感や会社を本気でよくしたいという想いが社内に伝わり、従業員の方の前向きな取り組みにも繋がっているようです。近い将来に控えている事業承継の支援も含めて、その想いに寄り添い、東商として引き続き支援をしていきたいと考えております。
(東京商工会議所:宇山伸之氏)

企業情報

企業名 永和産業株式会社
代表者 代表取締役:田中收氏
創業年 1954年
業種 卸売業(大豆、食用油、パック、添加物卸売業)
所在地 東京都大田区南六郷2-10-5
事業PR
URL http://eiwa-soy.com/


中小企業診断士 池田雄紀

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