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1級畳製作技能士の技と情熱で経営改善進行中

企業名:青木畳店  取材先ご担当者様:代表:青木信男氏

商工会議所のサポートで得られた経営の気づきを活かす

夫婦二人三脚で経営する立川市の青木畳店。過去には、業績好調の時代もあったが、近年は売上が伸び悩む中で、利益は出せても資金が不足する状態にあり、これが最大の悩みであった…

企業概要

夫婦二人三脚で経営する立川市の青木畳店(代表:青木信男氏)は、起業90 年を誇る老舗畳店である。青木氏は三代目、畳職人としてのキャリアも30年を超える大ベテランで、堅実な経営でその伝統を継承してきた。

青木氏は、国家資格である「1級畳製作技能士」であり、手縫い対応も可能なその高い技術力には定評がある。このほか、「JIS品質管理推進責任者」、「環境アレルギーアドバイザー」、「畳ドクター」、「健康住宅アドバイザー」などの住宅関連資格を幅広く有しており、畳だけでなく障子や襖も取り扱うことで、顧客の様々な相談に対応できる。また、自社ホームページでの情報発信にも積極的である。

企業の悩み

青木氏と立川商工会議所との関係は、約20年の長きに渡る。過去には、業績好調の時代もあったが、近年は売上が伸び悩む中で、利益は出せても資金が不足する状態にあり、これが最大の悩みである。

この状態の中で計数管理面にも課題を感じており、立川商工会議所に相談したのが今回の支援のきっかけである。立川商工会議所からは、まずマル経融資の斡旋と税理士の紹介があり、それまでほとんどパソコンを触らなかった奥様が、税理士紹介の会計ソフトを使って経理業務を始めるなど、経営改善の第一歩を踏み出した。

こうした流れの中で、青木氏は立川商工会議所の経営指導員から本プロジェクトを紹介され、経営診断を受けることにして「中小企業活力向上チェックシート」に取り組んだ。青木氏は、「チェックシートの記入を通じて、自身の経営について振り返ることができました。また、店の課題が浮き彫りになって、もっと良くしたいという思いに駆られました」と語る。

こうして専門家の支援がスタートしたのである。

導き出された課題

立川商工会議所では、チェックシートの回答内容と決算資料を踏まえて、小規模製造業支援に豊富な知見を持つ中小企業診断士を選定し、経営診断で現状の把握と課題の整理を行なった。

経営診断の結果、『お客様満足を重視しお客様に感動を与える』という明確な経営方針を持っているものの、売上拡大、コストダウンおよび経営管理強化が必須であることが判明し、具体的改善目標を設定することとした。個別には「経営戦略の明確化」「ホームページ等による新規顧客開拓の強化」、「既存顧客リストのマーケティングへの活用」、「事業継続や危機管理に取り組む」など6点が指摘され、経営を円滑かつ永続的に継続するために必要な課題が洗い出された。

青木氏は改めて診断報告書という形で整理して示されることにより、前々から薄々感じていた課題を再認識するところとなった。

提案した中小企業支援施策

青木氏の希望により、改善支援コースを利用して、複数の専門家からさらに具体的なアドバイスを受け、上記の課題解決に向けて取り組んでいくことになった。

立川商工会議所と専門家は、計画的支援を行いながら、各種の定量分析、PDCA サイクル、データに基づく商圏分析などの経営知識の補強を行いつつ実行支援している。

特に今回の支援を通じて、青木氏が大きな気づきを得られたのは、顧客との関係性構築の助言であった。畳という製品の特性上、顧客とは数年から10年という非常に長い周期で良好な関係を維持することが必要となる。これまで長年の経営で得られた顧客データの蓄積はあるものの、データベースはこうした顧客のアフターフォローに十分に活かされておらず、年に一度、年賀状の発送ぐらいでしか活用できていなかったという。

同時に、その発送方法についても効果的で細やかな助言を受けた。ただ単に慣例的に年賀状を送付するのではなく、自身の発信する情報をいかに適切に必要なターゲットに届けていくかを意識して発送することが必要だというアドバイスを受けた。このような助言は、青木氏の想いを裏付けるものとなり、考えを具体化するにあたって非常に役立っている。

その後の状況

青木氏は助言を受けて、基本となる経営理念と平成30年の経営・営業目標を策定した。また、これと並行して顧客アフターフォローのあり方を見直している最中という。例えば、埋もれてしまいがちな年賀状に一工夫を凝らす、施工後のアフターフォロー葉書の発送時期や内容を見直すなどである。顧客との関係性強化・深耕という目的が見え、こうした活動の一つひとつが意味のあるものへと変わっていく。漠然としていた考えが整理され、具体的な行動に踏み出し始めた。

企業様の声

当社は家族経営のため、これまで経営の困りごとを外部に相談する機会はほとんどありませんでした。同業者の会合では、経営について腹を割って話すことは難しいものです。夫婦であれこれ悩んでいた時期もありましたが、今では第三者のアドバイスを受けるということそれ自体が、私たちにとってとても意義のあるものだったと考えています。まったく違った視点から物事を客観的にとらえ、判断できるからです。また、商工会議所であればいろいろなネットワークも豊富ですし、信頼できる専門家を紹介していただけるという安心感もありました。結果に満足したので、さらに中長期的な課題の解決にも取り組みたいと思い、成長アシストコースも利用させていただいています。

経営指導員の声

青木畳店様は、長い間立川商工会議所の会員になられており、以前は商工会議所の情報を地域にPRする推進委員もしていただきました。

今回のご支援は、奥様が来所され、帳簿と税務の相談をされたのがきっかけでした。この相談の中で、中小企業活力向上プロジェクトをお勧めしたのです。

当初は商工会議所の細かなサービスをご存じなかったようで、「こんなにまでしてもらって、いいの?」という声を聴いて、サポートをする身として大変うれしく感じました。
(立川商工会議所:柳澤真理氏)

企業情報

企業名 青木畳店
代表者 青木信男
創業年 1927
業種 製造業(畳・襖の製造、補修など)
所在地 東京都立川市富士見町4-13-14
事業PR
URL http://aokitatami.net /index.html


中小企業診断士 屋代勝幸

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