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日本伝統の“墨”の魅力を活かし、一点一点手仕事で染め上げる墨染めの衣服「Coucoコウコー」のブランド化

企業名:ギルド工房  取材先ご担当者様:代表:河口皓佑氏

ギフトショー出展を機に売上が目標の3 倍に飛躍

もともと百貨店催事場の職人展イベントなどで販売していたが、婦人服売り場で勝負がしたかった。しかし、販路拡大を模索する中で、「やはり展示会に出展するべきか。でもそれにはお金が必要だ」と、資金調達の壁にぶつかるが…

企業概要

ギルド工房(代表:河口皓佑氏)は、良質な天然素材を染色したストール、ブラウス、ワンピース、バッグなどの婦人向け繊維製品を製造販売している。染料には天然の墨を使用し、刷毛や絞りで染色する「墨染め」という特殊な技法を用いて、一点一点手作業で制作する。直感的に描かれた模様は、他に類をみない仕上がりとなり、量産するのは難しいため、その希少性とデザインが付加価値として顧客の支持を得ている。

アパレル業界で10年の経験を持つ河口氏は、染色家である母親が制作する墨染めの商品に
可能性を見出し、平成28年1月、個人事業主として起業を決意した。墨染め技法の競合は少なく、東京ビックサイトで開催されたギフトショー出展を機に注目を集め、百貨店の期間限定ショップや、大手量販店のカタログ販売で順調に売り上げを伸ばしている。来期は目標としていた大手百貨店本店の婦人服売り場に常設スペースのオファーを受けるなど、飛躍的なペースで成長を続けている。

企業の悩み

河口氏は、「前々から心に温めていた母の墨染めの作品を『手作り品』としてではなく、『ブランド』として世に出したい」という想いを実現するために起業した。もともと百貨店催事場の職人展イベントなどで販売していたが、婦人服売り場で勝負がしたかった。販路拡大を模索する中で、「やはり展示会に出展するべきか。でもそれにはお金が必要だ」と考え、資金調達の相談をするため、国分寺市商工会の扉を叩いた。商工会では、資金調達の相談対応に加えて、より幅広く経営課題を把握するうえで役立つ本プロジェクトの経営診断を薦められ、よい機会だと思い、利用することにした。

導き出された課題

担当専門家の経営診断によって、「天然素材を使用し、日本古来の墨の染色で仕上げた手仕事の作品をお客様にお届けするブランドとして早期に確立を図る」という方針に向けて、各分野で取り組むべき課題が詳細に示された。

例えば、組織・人材(お母様以外に墨染めのできる職人の育成など)、商品(商品・プライスラインの設定、計画的な生産など)、営業(売上・行動計画の策定、取引条件の整備など)、財務(必要運転資金の把握など)である。

提案した中小企業支援施策

経営診断の結果を受けて、課題解決に向けた中期事業計画策定と実行のため、成長アシストコースでハンズオン支援が行われることになった。

まずは、ブランドコンセプト再構築、MD スケジュール策定、商品ライン・プライスラインの設定などの手順について具体的な解説を受けた。次に、取引の仕組みや契約のルール、販売方法、法人化の手順などについて具体的な指導を受けながら、整備していった。

並行して、商品の品番管理にも取り組んだ。春夏と秋冬のシーズンごとに商品を分け、全て品番で管理しつつ、どの時期に何がどれだけ売れているか、いつまでにどれだけ商品が必要かを、具体的に数字で管理する。それによって、年間を通して、いつどれくらいの資金が必要かを予測でき、事前に対策できるようになった。さらに年間売上目標を立て、毎月の売上げの進捗管理も行っている。

その後の状況

支援内容を反映して経営を進めることにより、期間限定イベントでの成功が次のイベントにつながり、さらに他の百貨店からも出店オファーが相次ぐという好循環が続くようになった。順調に売り上げが伸びる中、河口氏と母親の二人三脚で生産を続け、画家である父親の手も借りながらフル稼働での生産を続けている。

「うちの商品が注目されるのは、母が開発した独特の墨染め技法と、父の画家としてのセンスで描き出す絶妙な柄模様という魅力があるからなんです」と、河口氏が自認するように、今後生産を増やすためには、センスのある人材を見つけ、職人として育てていかなければならないと考えている。

意識の変化としては、今までは感覚的に仕入れや生産量を考えていたが、数字にして具体的に把握することの重要性がわかったことだという。商品を品番管理することで、季節ごと、売り場ごとにシミュレーションし、必要な生産量を予測したうえで計画的に資金繰りができるようになった。

また、「今までは自分一人で精一杯で、全て自分がやらなくてはいけないと思い込んでいましたが、販売スタッフと協働することや、職人を育成する必要性を実感しました」と河口氏は語る。

企業様の声

成長アシストコースのいいところは、一度に全部教えてもらうのではなく、面談を重ねる度に、その間にあった商談やイベントの報告をして、その都度必要なアドバイスをもらえたことです。

当面の目標は、来期の大手百貨店本店での常設スペースを成功させること。その上で法人化も含めて企業としてのベースを築き、新商品開発もしていきたいです。工房のスペースも拡張する予定なので、新たに職人を雇って技術継承をしていくことも重要だと考えています。販売スタッフの成長も後押ししながら、うちの会社で活躍してくれる人が増えると嬉しいですね。

おかげさまで業績が順調に伸びていて、自分より商品の方が先に成長していっている感覚があります。自分も経営者としてまだまだなので、これからも勉強して、商品の成長に追いつかないといけないですね。

経営指導員の声

製造業で起業して事業を軌道に載せるのはハードルが高いことですが、河口氏の事業計画はお母様の盤石な技術基盤があり、差別化された商品の将来性、理念にも共感できたので、ぜひサポートしたいと思いました。初年度は売上が振るいませんでしたが、通販カタログへの掲載も決まって、大丈夫だと確信しました。資金繰りは常に課題ですが、日本政策金融公庫から追加融資も受けたことは、成長を認められ信用を得たという評価でしょう。予想以上の反響に、ご本人が一番驚いていると思います。引き続き、法人成りもご支援させていただきます。
(国分寺市商工会:比留間武氏)

企業情報

企業名 ギルド工房
代表者 河口皓佑
創業年 2016
業種 製造業(繊維製品)
所在地 東京都国分寺市西元町3-18-15
ボナール西元町201
事業PR
URL http://guild-art-studio.com


中小企業診断士 泉とも子

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