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紙への印刷から脱却して、業界ナンバーワンを目指す印刷会社

企業名:株式会社エー・ディー・ピー  取材先ご担当者様:代表取締役:三ッ井清明氏

部門別の利益を正しく把握し、さらなる生産性向上へ繋げる

印刷業界全体の市場は、デジタル化に伴って縮小傾向にあるため、印刷会社の淘汰が進んでいる。当社では、部門別の実態把握が十分にできず、衰退傾向にある部門の見極めに苦慮していたが…

企業概要

株式会社エー・ディー・ピー(代表取締役:三ッ井清明氏)は、東京都墨田区に本社を置く印刷会社であり、本社と埼玉県三郷市に工場がある。

創業当初は、建築図面の印刷が中心だったが、紙媒体への印刷市場が減少傾向を辿る中、将来へ向けて経営基盤を確立すべく、新サービスの提供に挑戦した。そして、現在では、コピー製本の他、Tシャツへの印刷、大手企業への常駐対応等、幅広くビジネスを展開している。現在の主力であるTシャツへの印刷事業は、三ッ井氏が社員として働いていた際に、自ら立上げを行い、10年以上1人で担当して市場を切り拓いてきた、思い入れのある事業である。

企業の悩み

印刷業界全体の市場は、デジタル化に伴って縮小傾向にあるため、印刷会社の淘汰が進んでいる。一方で、最新の高性能な印刷機械を導入すれば高品質なサービスが提供できることから、新たに参入する企業もあり、競争は激化している。

中小企業がこの状況下で生き残っていくためには、限られた経営資源(人、モノ、金、ノウハウ)を、正しく投入していかなければいけない。しかし、当社では、会計事務所から定期的に入手する試算表だけで業績を判断するしかないため、部門別の実態把握が十分にできず、衰退傾向にある部門の見極めに苦慮していた。

そこで、2018年度に、本プロジェクトの前身事業で、成長アシストコースを利用した。ここでは、事業計画の作成と並行して、月次試算表を最大限活用しつつ、部門別の実績が把握できるような管理帳票を新規に作成した。結果、部門ごとの実態が把握できるようになり、正しい経営判断が行えるようになった。

次のステップとして、三ッ井氏は順調に売上が拡大している「Tシャツへの印刷事業」の改善に注目した。さらなる生産性向上のために、担当者別に生産性を測る基準を作り、これをもとに、チームごとに改善策を検討する仕組みを作りたいと考えた。

そこで2019年度は、本プロジェクトのフォローアップコースを活用することにした。

導き出された課題

前年度に成長アシストコースで支援した専門家が継続して支援に入り、三ッ井氏へのヒアリングを行って、生産面における以下の問題点を確認した。
・工場の生産性を測るための指標がない。
・販売価格設定、コスト計算など、数値面の検討は三ッ井氏1人で行っており、従業員は数字を見ながら工夫や改善をする意識が薄い。
・ある部門で深夜残業が続いていても、別の部門では定時で退社するなど、部門間の垣根を越えて協力する習慣がない。

上記を踏まえ、専門家と三ッ井氏の間で議論を重ね、今回は以下の内容で支援を行うことにした。
・工場の生産性を測る指標を導入する。
・従業員の改善意欲や達成意欲を増進する。
・部門間の壁を取り払い、工場全体で協力し合える体制を作る。
・数字を見て、改善策を考えられるリーダーを育成する。

提案した中小企業支援施策

まず、社内を9つのチームに分けて、実態を把握することにした。次に、当社で導入している業務管理ソフトと経理ソフトの仕様を確認して、追加業務を増やさないように配慮しながら、各チーム間で生じる取引について、社内で売買する仕組みを作った。具体的には、以下の手順で実施した。

①製造部門Aチームで製造した製品を、営業部門Bチームに引き渡す際に、Aチームが売って、Bチームが買う形態をとる。これにより、チーム毎の売上を認識する。
②従業員の労働時間を、所属チーム内の労働時間と他チームを支援した労働時間に分けて集計する。

こうして出来上がったチーム別の採算表の利益を、各チームの労働時間で割ることで、チームごとの「1時間当たりの付加価値額」を導き出し、生産性の指標とした。さらに、各チームリーダーにこの指標の計算過程も含め説明を行い、定期的にフィードバックすることで、リーダーを中心に「現場で問題を考え、行動する」仕組みを作った。

その後の状況

まだ上記の仕組みを部分的に導入し始めた段階だが、従業員の意識も少しずつ改善しており、部門間で協力し合うことが増えてきた。また、数字に対する意識が向上し、チーム別の売上と利益の増減理由を説明できるようになってきた。

さらに、指標を高めるために、売上を伸ばす、経費を削る、勤務時間を短縮する(他のチームを手伝う)という3つの視点で改善を図る考え方が、少しずつ浸透してきている。

企業様の声

これまでは、外部の意見を聞く機会がなく、自分一人だけで考え込んでいたので、視野が狭く、不安に思うことが多くありました。

このプロジェクトを通して、自分にはない知識や経験を持っている専門家に適切に指導していただけたので、会社の成長だけでなく、自分自身の成長にもなり、とても感謝しています。それにより、今後の経営の舵取りにおいて、正しい方向へ導く判断ができるようになり、ますます成長が見込めるようになりました。

さらに成長していくためには、まだ解決しなければならない様々な問題を抱えているので、今後とも引き続き専門家の指導を受けたいと思っています。

経営指導員の声

三ッ井社長は、決して現状に満足せず、会社と従業員のさらなる成長・発展のために常に改善・改革を推し進めていく経営者です。昨年度の成長アシストコースに引き続き、今年度はフォローアップコースで、チーム別の生産性を向上させる手法の導入と従業員の意識改革に取り組まれました。東京都の助成金採択により、生産性の高い新たなインクジェットプリンタの導入も決定しております。今後も従業員一丸となって、業績向上に取り組まれることを期待しております。
(東京商工会議所:松本知珠氏)

企業情報

企業名 株式会社エー・ディー・ピー
代表者 三ッ井清明
創業年 1999
業種 印刷業
所在地 東京都墨田区亀沢2-15-9
事業PR
URL https://print-ya.com/


中小企業診断士 東俊道

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