助成金・補助金等、経営力UPの経営情報が満載!
はじめての方 無料経営診断 会員登録ログイン

オンライン経営力自己診断

経営診断事例
会員登録すると、
新規会員登録はこちら
お気に入りに追加 シェアツイートLINEはてぶ

世界初の「進化系おりがみ」で和の伝統を生かした知育を

企業名:shige hasegawa design  取材先ご担当者様:代表:長谷川滋之氏

武蔵野ブランドの推進を商工会議所と複数の専門家のチームが支援

本業であるデザインの業務の合間に、一人で行う販路開拓は容易ではない、長谷川氏は良い製品を作ることには自信があったが、販売の経験は乏しいので、値段をどう決めるかなどのノウハウが無かった…

企業概要

shige hasegawa design(代表:長谷川滋之氏)は武蔵野市を本拠地とするプロダクトデザインオフィスである。長谷川氏は米国の大学でインテリアデザインを学び、1999年の卒業時には全米木製家具デザインコンテストでファイナリストに選ばれた。その後、輸入家具の会社でインテリアデザインを担当した後、独立して2005年にshige hasegawa designを設立し、デザイン業務の受託を開始した。また、シンガポールのOTTO社でのデザイン事業ではSingapore Design Award 2014も受賞した。

企業の悩み

プロダクトデザインの事業は、受託業務であるため仕事の波が大きかった。そのため、家具や照明器具などのオリジナル製品の販売を始めたが、さらに、子ども向けの良い品を販売したいという想いが強くなった。そこで開発したのが、「スナップバンド」である。2018年12月から販売を開始したこの製品は、柔らかいバンドをボタンでパチパチ留めるだけで2次元の素材から動きのある3次元の立体造形を作れるという、日本の伝統的な「おりがみ」を基本にした世界初の玩具である。

ここで大きな課題になったのは、本業であるデザインの業務の合間に、一人で行う販路開拓は容易ではないということである。長谷川氏は良い製品を作ることには自信があったが、販売の経験は乏しいので、値段をどう決めるかなどのノウハウが無かった。百貨店でのワークショップで参加者の子供たちに使い方を教えた際、生き生きとした顔で遊んでもらい販売もできたことは、製品の力を確信させた。また、展示会に出展した時には、『日経MJ』が好意的な記事を書いてくれた。しかし、いずれも大きな商談にはつながらなかった。

そこで、武蔵野商工会議所に相談したところ、本プロジェクトを紹介され、アシストコースの活用を視野に入れつつ、まずは「中小企業活力向上チェックシート」でセルフチェックを行い、経営診断を受けることになった。

導き出された課題

チェックシートの内容を踏まえて、中小企業診断士がヒアリングにより現状把握と課題抽出を行った結果、以下の方針が定められた。①製品の力を活かした市場創造に取り組む、②「子供の空間認識能力が養える教育玩具」であることを必要な相手に周知させる。その手段として、WebサイトとSNS(Facebook、Instagram) の情報を有機的に統合する。③ネット以外の機会である、製品の展示、価値を実感できる催しなども十分に活用する。

この中で、②のネット活用は既にある程度行っていたので、それを大幅に改善する方向で早速開始できた。一方、長谷川氏が特に大きな課題だと感じたのは③のネット以外の販路開拓活動であった。長谷川氏単独での遂行では、人的資源に限りがあるためである。

提案した中小企業支援施策

長谷川氏からの相談を機に経営診断を実施して以来、武蔵野商工会議所ではチームを組んで上述の課題の解決を支援している。例えば、スナップバンドの量産を行う機械の整備とワークショップ用の機材購入のため、小規模事業者持続化補助金の申請をサポートした。

販路開拓に関しては、スナップバンドを「武蔵野発」のブランドとして広めるべく、長谷川氏個人では実現困難な部分について、武蔵野商工会議所が支援を行うこととなった。

具体的な取り組み内容として、①この製品が武蔵野市の福祉施設で作られており、施設の従業員である障がい者の方々も、一般的な単純作業にはない穴開けやボタンの取り付けという作業を喜んでいるという事実から、社会的な意義がある事を訴求する、②公益財団法人武蔵野市子ども協会の運営する「おもちゃのぐるりん」(市内在住の0歳~未就学児とその保護者が利用できる、おもちゃに特徴を持たせた自由来所型の施設)で採用してもらい、体験者を増やす、③一般社団法人武蔵野市観光機構の『むさしのプレミアム』(武蔵野市発おみやげブランド品)に申請する(既に認定完了)、等が挙げられる。

その後の状況

小規模事業者持続化補助金で得た資金を活用した製造機械や展示用機器の整備は、順調に進行している。左の写真の背後にあるパネルはその成果物の1つであり、非常に効果的である。経営診断から約半年が経過した現在、規模の大きな契約や爆発的なヒットといった顕著な成果はまだ上がってはいないものの、スナップバンドの売上は徐々に増加しており、今後に向けて十分に期待できる状況である。

企業様の声

私はもともと設計を志して勉強しました。その後、事業を行う中で私自身も親になり、子ども向けに良い物を作りたいという意欲が湧いて、スナップバンドを考えました。この製品はただの玩具ではなく、「おりがみ」のように平面から曲面を生み出すことにより、空間認識能力という大事な知性を磨くことができます。また、私自身にとっても、受託という波のある事業から、物販という安定性のある事業にシフトするために重要な要素になります。今回は、商工会議所や専門家の方々と一緒に活動することで、一人でやっていた時には難しかった課題の整理ができたことが本当に良かったと感謝しています。現在の物販は売上の20%位ですが、将来は80%にすることを目指していくつもりです。

経営指導員の声

武蔵野商工会議所では、本プロジェクトを通じて、非常にユニークな製品の市場開拓を行うため、経営診断から計画策定、その後の実行支援とトータルでの支援を現在も継続して行っています。その中で、武蔵野ブランド化や公共の施設を活用するなどの事業者だけでは難しいアクションをチームで支えていけることは、担当として嬉しく思います。
(武蔵野商工会議所:佐伯 健氏、関 政己氏)

企業情報

企業名 shige hasegawa design
代表者 長谷川滋之
創業年 2005
業種 サービス業(プロダクトデザイン)
所在地 東京都武蔵野市関前3-4-11-202
事業PR
URL http://www.shige-hasegawa-design.com/


中小企業診断士 須藤和夫

一覧ページに戻る

< 経営診断事例TOP

pagetop