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市場変化に対応し売上減に歯止め -こまめな支援で計画書づくりがスムーズに-

企業名:株式会社英工芸  取材先ご担当者様:専務取締役 後藤 修 様

市場変化に対応し売上減に歯止め -こまめな支援で計画書づくりがスムーズに-

3兆円あった貴金属市場は1兆円弱へ縮小、市場内競争が激化し、更に価格競争力の強い海外勢の参入により、業界同様に当社のおかれる環境も厳しくなったが…

企業概要

 株式会社英工芸(代表取締役:後藤俊明 社長)は1955年に創業した、従業員16名の貴金属装身具の製造、加工、販売業である。

 戦後の復興期の中、先代社長はアクセサリー需要にいち早く目を付け事業を開始、ネックレスを主力商品に成長を築いてきた。大資本の参入で大量生産による価格競争が激しくなると、2代目である現社長は米国に渡り宝石鑑定士の資格を取得、市場環境の変化に柔軟に対応し、機械化が難しい宝石の製造へとシフトした。

 創業当初から目を付けていた平戸細工の技術を巧みに取り入れ、中小企業庁長官賞など数多くの表彰を受けるほど優秀な宝飾士をかかえ、その技術力を背景に、顧客からも高い評価を受けている。

 しかし、90年代に入りバブルが崩壊すると、3兆円あった貴金属市場は1兆円弱へ縮小、市場内競争が激化し、更に価格競争力の強い海外勢の参入により、業界同様に当社のおかれる環境も厳しくなった。

企業の悩み

 安価な輸入品の台頭で市場環境が変化、ファッション性の高い一般的なアクセサリー類は価格競争に巻き込まれ、当社も売上減少を余議なくされた。

 加工切削方法の改良によりコスト削減を目指すとともに、新たな市場で売上を確保し経営基盤を安定させたい。区役所を経由して商工会議所へ相談が持ち寄られた。

導き出された課題

 商工会議所の経営指導員により、「まずは自社のおかれている状況を客観的に診断してもらってはどうか」と提案され、当事業の企業診断を受けることとなった。

 6分野70項目のチェックシートに経営者自らがひとつひとつ詳細にチェックすることで、改めて経営に対する取り組みの必要性を分野ごとに認識することができた。

 中小企業診断士からは、「自社の内部状況」と「市場の外部環境」の双方から分析してもらい、当社の進むべき方向は、流行の影響をあまり受けず長期にわたり安定して売上が見込めるブライダル市場への参入であることが示された。これは当社の考えと同じであり、進むべき方向についての確信を得ることができた。

 しかし、当社の考えを戦略として具体化させるためには事業計画書の作成が必要である。今回は経営革新計画の取得を視野に、戦略の詳細を練りながら「承認を得られるための計画書づくり」が課題となった。

提案した中小企業支援施策

 経営指導員から、経営革新計画の作成にあたり、戦略策定や計画書の作成に関する具体的なサポートを受けるため、専門家派遣制度の活用を勧められた。

  • 専門家派遣(エキスパートバンク)
    小規模事業者の皆さんがお持ちの経営課題に対応する登録エキスパート(専門家)を直接事業所に派遣し、具体的・実践的なアドバイスによって問題の解決に役立てていただくものです。
  • 経営革新計画の承認
    新たな事業活動を行う経営革新計画の承認を受けると、日本政策金融公庫の特別貸付制度など多様な支援を受けられます。

その後の状況

 申請書の訂正などいくつか発生したが、その都度、商工会議所の経営指導員に相談を持ちより、アドバイスを受けながら無事に経営革新計画の承認を受けることができた。同時に、申請していた新製品開発に関する助成金も無事に得ることができた。

 経営革新計画は承認を受ければよいというのでなく、その計画を実行に移し計画通り業績を改善していくことが大切である。当社では今のところほぼ計画通りに進んでいる。

 全体の売上高は横ばいだが、市場の縮小と競争の激化で既存事業の売上減は避けられない。しかし、ブライダル分野の新規事業は売上増で順調に成長してきているところから、売上減少に歯止めをかけることに成功している。

 今後も引き続きブライダル分野の成長を図り、経営基盤を安定させることを目指す。更に既存事業でも、平戸細工を活かした当社の技術で差別化を図り付加価値を高めていきながら、24時間通販など新しいチャネルへの進出により市場を切り開いているところである。

企業様の声

 漠然としていた相談内容を整理して、具体的な施策へと結び付けをおこなってもらえたことでは、商工会議所の経営指導員とのやり取りは非常に助かった。

 経営革新計画をはじめ各種申請書の書き方においても、計画承認の審査員に業界特性などをアピールすることの重要性を具体的にアドバイスしてもらえ、客観的な視点で見直しできたことはよかった。その結果、経営革新計画の承認を得られたと感じており、自社だけで申請書を作成していたら承認を得られたかは疑問に思っている。

 そして、なによりも助かったと感じることは、困ったことがあればいつでも気軽に相談でき、必要であれば来社してもらえることである。有効な支援施策があればご紹介いただき、迅速にアレンジまで対応してくれる。まさに商工会議所は中小企業にとって経営の良き相談相手として、とても頼れる存在である。

企業情報

企業名 株式会社英工芸
代表者 後藤 俊明
創業年 1955年
業種 宝飾品製造業
所在地 東京都荒川区西日暮里4-3-3
事業PR
URL http://www.hanabusa-kogei.jp/

平成24年5月9日
山口 亨

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