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人材育成とターゲット顧客の明確化による経営基盤の強化

企業名:有限会社北野増田屋  取材先ご担当者様:代表取締役:宮崎裕樹氏

マネジメント力の強化で新型コロナの影響を克服

業務が属人化され、社長にしかできない現場の仕事が多く、日常業務に追われて将来のビジョンを考える時間がなかったというが…

企業概要

有限会社北野増田屋(代表取締役:宮崎裕樹氏)は八王子市で日本そばや和食膳を提供する飲食店である。創業は1973年で、現代表の宮崎氏は2代目経営者にあたる。調理師学校卒業後、和食店やそば店での修行を経て先代の父に師事。2011年に先代が逝去され、事業承継して代表取締役に就任した。
板蕎麦を主力商品としながらも、和食店での修行経験を活かし、季節商品や和食膳にも力を入れている。メニューはもちろんのこと、ターゲット顧客を意識した店舗づくりやサービスも好評を得ている。

企業の悩み

代表就任直後の2012~2013年は、先代から引き継いだ多額の借入金がある中で売上が低迷する暗黒期を経験した。そこで2014年に店舗を改装してリニューアルオープンを行うとともに、外部コンサルタントを活用した経営のテコ入れにも着手した。徐々に売上は右肩上がりで改善。その後も信用金庫の勧めで商工会議所や中小企業診断士の経営支援を受け、経営基盤の強化に取り組んできた。
経営状況が改善されてきた一方で、宮崎氏は人材育成に課題意識をもっていた。業務が属人化され、宮崎氏にしかできない現場の仕事が多く、日常業務に追われて将来のビジョンを考える時間がなかったという。そうした中で本プロジェクトの紹介を受け、利用するに至った。

導き出された課題

専門家に経営状況を洗いざらい見てもらい、経営課題を抽出した。その中で最も目を引いたのは、宮崎氏自身も以前から感じていた人材育成に関する課題であった。具体的には、①人材育成による組織体制強化、②人材投資のための売上向上の2点である。
宮崎氏には職人志向・現場志向があり、経営者が常に現場にいて現場を把握することは悪いことではなく、お店に経営者の顔があることは顧客の安心感にも繋がると考える。何より、現場で耳にする顧客の生の声が仕事の原動力である。一方で、宮崎氏にしかできない仕事が多く、もし病気や怪我で現場を離れなければいけなくなった場合、店を閉めざるを得なくなる。このような会社組織としての脆弱な状態を改善したいと考えていた。そこで、職人で居続けるためにも、一度現場から離れて、組織体制の強化に取り組むことにした。また、従業員のスキルアップや品質維持のためには投資が必要であるため、売上の向上にも取り組むことにした。

提案された解決策

実行支援では、専門家から助言を受けながら、経営的な手法を活用して課題解決に取り組んだ。現状分析を行い、物事を数値化して、どうすれば課題が解決されるのか、という道筋の立て方を教えてもらったという。現場に自分の代わりをつくるためには、従業員や設備にどのような投資が必要で、そのためにはいくら売上が必要なのか。このように逆算して施策を考えた。
人材育成の施策では、教育やマニュアル作成を実施。また、機械を導入したことで、そば打ちの工程の中で最も重要な作業だけは宮崎氏が行い、その他の作業は従業員に任せられるようになった。
売上向上の施策では、ターゲットを明確に絞り込み、顧客が何を求めているのかを徹底的に考えた。具体的には、地域に住む60~70代の高齢者をメインターゲットとし、その子ども世代である40代をサブターゲットにしている。常に顧客目線に立つことを心掛け、高齢者のための昇降機を導入したほか、店内の清潔感や丁寧な仕事に気を配っている。
また、支援実施中に新型コロナウイルス感染症の影響が大きくなった。想定外の事態だったが、商工会議所や担当の専門家と緊密に連絡を取れていたことで、助言や有用な情報が早く得られ、他の事業者よりも早く対応できたと考える。具体的には、すぐに融資の準備に取り掛かったことで、売上減少による資金不足を心配することなく、落ち着いて経営することができた。また、出前事業の強化により、売上減少を抑えられた。

提案した中小企業支援施策

その後の状況

最大の変化は、経営判断に迷わなくなったことである。ターゲット顧客が喜ばないことはしない、喜ぶことをする。それを経営判断の基準にしたことで、やるべきことが明確になったからである。また、人材育成により、宮崎氏にしかできない作業が減ったことで、現場から少し離れて経営的な仕事に時間を割けるようになったことも大きかったという。
また、最大の成果は、現時点で新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えられていることである。売上高の対前年比は、2020年6月が93%、7月が95%、8月が101~102%、9月が101%、10月が約115%である。その要因のひとつは、以前から地道に経営基盤の強化に取り組み、想定外の事態にも耐えられる体力がついていたことである。また、本プロジェクトのアシストコースでは9回までの長期的・継続的な支援が得られるため、外部環境の変化に応じたタイムリーな施策を打てたことも功を奏したと考える。

企業様の声

支援してくれる方々は、私がやりたいことを伝えると、じゃあこうしましょうと道筋を教えてくれます。中には難しい宿題もありますが、取り組んだ分だけ結果に繋がるので、やっていて楽しいと感じました。今までもセミナー等で似たようなことをやっていたので
すが、やらされ感がありました。本プロジェクトでは、なぜそういうことをしなければいけないのかをしっかりと教えていただけたことで、自分自身で考えるようになりました。
また、自分が5年後10年後どうありたいのかを考えるきっかけにもなりました。今後は後継者育成塾(はちおうじ未来塾)にも参加し、ビジョンをより明確にしていきたいです。
(代表取締役:宮崎裕樹氏)

支援者の声

支援を通じて一番変わったのは宮崎様のマインドだと思います。今まではプレイヤーでしたが、少しずつマネジメントの方にマインドが変わっていきました。また、客観的に見てすごいと感じたのは、本プロジェクトに取り組む姿勢です。どんなに難しい宿題が与えられても、できない言い訳はせずに必ずやってきます。また、振り返りも自発的に行っています。そういった努力する姿勢により、本プロジェクトをうまく使いこなし、良い成果に繋げられていると感じています。
(八王子商工会議所:木村文香氏)

企業情報

企業名 有限会社北野増田屋
代表者 代表取締役:宮崎裕樹氏
創業年 1973年
業種 飲食業(蕎麦店)
所在地 東京都八王子市打越町2014-6
事業PR
URL https://kitano-masudaya.jp/


中小企業診断士 桂木敏文

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