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展示会出展は標的顧客を明確にして -顧客層を絞り込み、異なる営業活動を実施-

企業名:有限会社きれ屋  取材先ご担当者様:型染アドバイザー 安藤 諭 様

展示会出展は標的顧客を明確にして -顧客層を絞り込み、異なる営業活動を実施-

当初、呉服店とのシナジーを重視し、カフェに和小物をおいて2年ほど経営したが、当初の目論みのようにはいかなかった。そこでオリジナル商品の開発も同時に進め、手ぬぐいの企画・製造・販売を手掛けるようになったが……

企業概要

 有限会社きれ屋(代表取締役:安藤

 諭 氏)は、温泉などへの観光客で賑わう秋川渓谷への玄関口、あきる野市五日市に立地し手ぬぐいの製造卸・小売を営んでいる。檜原街道沿いに面し、創業100年の老舗呉服店の2階部分を店舗およびカフェスペースに改装し、観光客向けに和の空間、和の小物を提供している。従業員は2名であるが同建物内に併設されている呉服店(別会社)と兼務のため、事業の多くの部分は安藤社長一人で対応している。
 実は安藤社長、元は地域密着の呉服店を営んでいた。地元の購買力の低下が危惧されるなか、6年前から地域をあげて地元の良さをアピールする術を探す商工会主催のイベントに参加した。その結果、呉服店の建物を有効利用することがひとつの案として浮かび上がった。呉服店の建物は築130年と年数が経っており、従来は古さを隠すような装飾を施していたが、逆にその古さを強みとして活かした和テイストな建物の中で、癒しの空間(カフェスペース)を設け、観光客の呼び込みを図ることが検討され、呉服店とのシナジーが図れる和小物の販売を始めることになった。それらの結果として、店舗改装費の負担や地域活性化の観点から地元で出資者を募り、呉服店とは別会社として当社が設立された。

企業の悩み

 当初、呉服店とのシナジーを重視し、カフェに和小物をおいて2年ほど経営したが、当初の目論みのようにはいかなかった。そこでオリジナル商品の開発も同時に進め、手ぬぐいの企画・製造・販売を手掛けるようになった。従来の手ぬぐいとは異なり、「和の中にもモダンな要素が感じられる洗練されたデザイン」が特徴で、ノベルティーとしての利用など法人向けの需要が伸びてきている。和柄ブームや戦国ブームなどにより、手ぬぐいの価値が社会的にも見直されつつあり潜在需要も大きい。しかし資金的な制約もあり今後の販路拡大の方法が悩みとなっていた。

導き出された課題

今回のプロジェクト事業で有効と考えられたのは、助成金の活用による展示会に出展することを通じた販路拡大の方法である。企業診断の結果、当社は手ぬぐいに関する知識やデザイン、製造に関するノウハウが豊富であり、幅広い顧客(個人・法人)の要望に沿って商品企画・提供ができるという強みが見出された。一方で顧客に対するフォローアップを含めた営業力の弱さも明らかになった。
 営業力の強化が急務の課題であり、幅広い顧客層に対して曖昧であった営業戦略を見直し、顧客ターゲットを明確にしてターゲット別に営業手法を分けて取り組むことが中小企業診断士から提案された。そして、ターゲットに沿った展示会へ効率的に出展することが必要であることがアドバイスされた。

提案した中小企業支援施策

上記の課題を解決するために利用できる中小企業支援施策として、以下の提案がおこなわれた。

その後の状況

 法人向けの営業活動において、ターゲットを「大手企業の販促利用のニーズ」と「小売店舗への卸売りニーズ」との二つに分けて考えることにし、それぞれのニーズに適したカタログ作成、展示会出展を行った。その結果、当初は想定していなかった有名企業からもいくつか引き合いが来て、大口受注に結び付けることが出来た。これまで行ってきた飛び込み営業では門前払いを受けることもあったが、展示会で名刺交換を行ったことで商談の機会を得ることにつながった。
 また、展示会の出展費用に充てる資金確保については、当初はマル経融資の利用も検討したが、今後の営業展開の考えなどを含めて取引金融機関に相談した結果、有利な条件で融資を受けることができた。
 営業戦略の策定、資金確保、展示会出展といった流れで大口の注文につなげることができ、今後の取り組みの方向性も明らかになった。また、現在はホームページのリニューアルも積極的に進めているところである。

企業様の声

 事業計画や計数管理の重要性などは、わかっていながらも日々の業務に追われ、後回しになっていた。しかし、今回のプロジェクト事業で使用されるチェックシートを自ら記入することで、改めてそれらの重要性を認識できた。中小企業診断士のアドバイスを受け、半ば強制的にも実行に移すことができたのが大きな効果だったと感じている。
 展示会については、これまでその費用対効果が図れずに躊躇していたが、今回の助成金のおかけで思い切って出展することができた。そして実際に出展してみると、受注の機会につながることを実感でき、自ら費用をかけて行っても十分に効果が得られる可能性があることもわかった。次は助成金に頼らず自己負担でも出展するつもりである。
 今後も、中小企業が展示会出展のきっかけが得やすいように、展示会出展に対する助成制度を続けるべきだと考えている。経費の全額助成でなくても、一部助成や経営革新計画の認定企業に対して助成をするなどの形ででも続けていって欲しい。

企業情報

企業名 有限会社きれ屋
代表者 安藤 諭
創業年 平成16年
業種 てぬぐい・和小物雑貨の卸・小売、カフェ
所在地 東京都あきる野市五日市1
(関連会社:創業100年 栗原呉服店)
事業PR また「てぬぐい」がちょっとしたブームになっています。
その機能性の良さとおしゃれなデザインが新鮮。
日常に使ってみたくなるようなデザインされたオリジナルてぬぐい作りませんか?
きれ屋がお手伝い致します。
URL http://www.kireya.com/

取材日:平成22年3月2日
記事:山口 亨

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