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チームビルディングで生産性アップ!

みなさんの会社ではどういった点を注意してチームビルディングを行っていますか? 経営資源の限られた中小企業で生産性を高めるためには、ITやAI・ロボット等への設備投資よりも前に、社内のチーム編成で工夫できることがあります。劇的な成果を上げるためのチームビルディングとは・・・

(掲載日 2019/01/25)

仕事を楽しみ、劇的な成果をあげるためのチームビルディング

<はじめに>

 人口減少社会に突入した日本において、人手不足は常態化し、生産性を高めていくための取組みが求められています。また、昨年に、働き方改革関連法案が可決し、2019年4月以降、中小企業においても、従業員の有休取得の義務化、残業時間の上限設定等への取組みが求められてきます(一部経過措置あり)。

 ITやAIの活用、機械やロボット設備の導入によって、生産性を高めていくといった取組みも大切ですが、今回は、チーム・組織の作り方にフォーカスを当て、より多くの成果をストレスなく上げることを考えてみたいと思います。

<人それぞれの特性に注目>

 誰しも仕事において、没頭する(ゾーンに入る)経験をお持ちではないでしょうか? 人前でプレゼンしている時、取引先と交渉している時、新しいアイデアを企画する時、膨大な資料を読みこなしている時・・・どんな時に没頭できるかは、人それぞれだと思います。1つ言えることは、「自分に合ったことをしている時」ではないでしょうか。

 ただ、人は誰しも「隣の芝は青く見える」もので、苦手なことは把握している一方で、得意なことに関してはなかなか自分で認識することができません。それは以下の理由からです。

・大した苦労もせず当たり前にさらっとできてしまう
・他の人もみんな同じようにできるんでしょ、と思ってしまう

 客観的に経営者(自分)や従業員の特性を診断・分析し、それぞれが得意なことに没頭し、苦手なことはそれが得意な人にやってもらう、といったチームができれば、生産性はすごく高まるのではないでしょうか。

<特性区分の例>

 株式会社ヒューマンロジック研究所の「FFS(Five Factors & Stress)理論」や一般社団法人日本適性力学協会の「Wealth Dynamics」など、人の強みや特性を診断し活用する手法は、商用のサービスとしていくつかあります。
 「FFS理論」は、行動パターンを凝縮性・受容性・弁別性・拡散性・保全性の5つの因子で分析し、潜在的な強みを導き出します。「Wealth Dynamics」は、西洋・東洋の思想を取り入れた自己分析ツールで明確にした8つのプロファイル(才能)の活用を提唱します。
 ここでは、上記を参考にわかりやすく簡略化したモデルである以下の4つのタイプで考えてみます。

1)企画者タイプ: ゼロから新しいことを考えるのが好き。マニュアルや画一的なルーティン業務は苦手。
2)マニュアルタイプ: マニュアル通りにきちっと業務がまわることが好き。突発的な対応や現実離れしたようなアイデアが苦手。
3)内向型: 資料やモデルのロジカルな分析をこもって行うのが好き。人との世間話や議論が苦手。
4)外向型: 人と接するおもてなしや駆け引き、説得が好き。一人での綿密な作業が苦手。


 自分はどのタイプに該当しますか?上司・部下・同僚はどうでしょう?

 ちなみに、私は内向型の特性をもっていて、資料や数字の間違いや課題を非常に早く見つけることができます(間違っている箇所が浮かび上がっているようにみえる)。以前は、自分だけが一生懸命チェックしているからそうした箇所を見つけられる、と思い、「みんな真面目にやれよ」と考えた時期もありましたが、自分の特性を活かした得意なスキルであることを知りました。

 同時に、人それぞれの特性や得意な分野を考えたマネジメントやチーム編成をすることで、生産性の向上と離職率低下にも寄与できるようになりました。

<活用シーン>

 経営者や従業員の特性を踏まえたチームビルティングにおいて、特に高い効果をあげやすいのは以下のような場面です。


○自社の経営チームを見直してみる
 特に中小企業の経営者は、全部自分でやらないと、と考えがちです。また、自分と同じような特性のメンバーで固めてしまった経営チームのため、苦手分野がネックとなったり、得意分野でも主導権争いをしたり、でうまくまとまらないケースがあります。自分の特性を活かし、苦手な分野を任せられるメンバーとチームをつくることが大事です。


○新たな事業やプロジェクトのメンバー構成を検討する
 新規事業を立ち上げる際は、企画者タイプを中心にアイデアを出し、外向型のメンバーが協業者やお客様を巻き込んでいくような活動が多くなります。しかし、プロジェクトが進行していくのに合わせ、事業化し、収益をあげるべく、しっかりとビジネスモデル・マニュアルを作り、それをしっかりと実施していくことに強いメンバーも加えていくと効果が上がります。


○事業承継で経営者が引き継いだ際に経営チームの特性も変更する
 事業承継において、継がせる社長と継ぐ社長の特性が異なっていることの方が多いです。その際、新社長をサポートするメンバーの追加・変更も行わないと、偏った経営チームができてしまい、新社長の特性を活かした経営をすることができなくなります。


 もちろん、社内のちょっとしたコミュニケーションにも活かすことができます。

 例えば、部下に新しい仕事を依頼する際、部下が企画者タイプだった場合、「お前にしかできない仕事がある」というとモチベーションが高まります。一方、マニュアルタイプには「誰でもできる仕事なんだけどね」という形で依頼した方がやる気になります。

 行き詰っている同僚に対しても相手の特性に合わせた対応が効果的です。例えば、外向型の場合は人との会話から気づくので「今晩はつきあうよ」と悩みを聴いてあげ、内向型の場合は自分と向き合うことで気づくので「とことん考えてみるといいよ。何かあれば言ってね。」と時間を作ってあげるようにします。


 最後にこうしたチームビルディングを進める際の注意点です。

・自己肯定・他者尊重の土台を築くこと
・特性の診断結果は経営だけで把握するのではなくできるだけ共有すること
・特性を「私は〇〇が苦手だから」といった言い訳には使わせないようにすること
・特性と職種とを切り離すこと(例えば、営業は外交型、経理は内向型といったイメージがありますが、内向型でもその特性を活かすことで実績をあげた営業の事例も多いです。)

まとめ

 多様性(ダイバーシティ)というキーワードでは、シニア・外国人・女性・障害者・マイノリティの活用といった視点で語られます。しかし、そうした目に見える違いと併せて、価値観・才能(DNA)・幼少時代の環境等によって形成された「特性」も人それぞれであり、そうした特性を活かした労働環境を作ることも、まさにダイバーシティの活用といえるのではないでしょうか。

 経営者・従業員共に、得意なことで仕事に没頭できる機会を増やすことで、劇的に生産性を高めることができます。さらに、苦手なことに対応するストレスが減り会社・仕事が楽しくなり、残業時間・有給休暇・給与といった待遇面だけでは賄えないモチベーションアップにつながる可能性があります。こんな視点での働き方改革も考えてみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール

越沼 康明(有限会社ブランドシップ 代表取締役)

デジタルマーケティング分野を活用した販促支援と合わせ、IPOやクラウドファンディング・補助金といった返済不要な資金調達を成功させるための計画支援・体制強化を支援する。最近は創業(事業承継)や新事業開発に伴うプロジェクト立上げ等に携わる案件が増えている。

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